2ダブルボギーにも“平常心”でつかんだ8勝目 金谷拓実がハウスキャディに感謝「本当に勉強になりました」

<ANAオープン 最終日◇21日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72>

米ツアーを主戦場とする昨季賞金王の金谷拓実は、首位と2打差の2位から出た最終日、2つのダブルボギーを叩きながらも7つのバーディを奪って「69」をマーク。トータル17アンダーで並んだ石川遼とのプレーオフは、2ホール目でボギー以上が確定した石川に対して、きっちりパーセーブ。国内2戦目で今季初優勝、ツアー通算8勝目を挙げた。
2番パー4でいきなり不運が襲う。右ラフからの130ヤードの2打目。「少し右に出た」ボールはグリーン右手前にある木の上に乗ってロストボールとなった。打ち直しの4打目でグリーンをとらえたが、2パットのダブルボギーで後退。

続く3番パー3は1打目を20センチにつけて“お先”バーディ。これを皮切りに4連続バーディで一気に単独首位に立つ。しかし、8番パー3の1打目をグリーン右手前のラフに外す。ぬかるんだラフからうまく打ったが、ボールは奥のエッジへ。そこから3打要して2つ目のダブルボギーを喫した。

後半に入り12番パー5で2オン2パットのバーディ。14番パー4はバンカーからの3打目を1.5メートルに寄せて、微妙なパットも沈めてしのいだ。そして、1打ビハインドで迎えた名物17番パー5で勝負に出る。

「(順位の)細かい状況は分からなかったけど、ここでバーディを獲らないと優勝できない」とアグレッシブに攻めることを選択した。ピンまで残り250ヤードから3番ユーティリティで林越えのショットを放ち、これがグリーンオン。10メートルから2パットのバーディで石川に追いついた。

ダブルボギーを2つ叩くなど、メンタルが揺れ動きそうな展開だったが、今週タッグを組んだハウスキャディの存在が大きかった。「いいプレーも悪いプレーも関係なく、ゴルフじゃない話をしたり、常に平常心で前向きにプレーさせてもらえました」と勝因として挙げた。ミスで怒ることもなく、いいショットに喜びすぎることなく、常に平常心を保てたと振り返る。

昨年の予選会を3位で通過し、今季から米ツアーにフル参戦。シーズン序盤は9試合で7回予選落ちを喫するなど、高い壁にぶつかった。「予選落ちをしても日々少しでも成長することを心掛けて、今までやってきた。積み重ねが今後につながると信じている」。世界最高峰の舞台でもまれながらプレーを続けると、5月の「ザ・CJカップ・バイロン・ネルソン」で自己最高の5位タイ、7月の「3Mオープン」で7位タイと2度のトップ10入りを果たすなど、日々の成長を結果につなげている。

米ツアーはレギュラーシーズンが終了し、来季のシード権などをかけた全7試合の秋季シリーズ「フェデックスカップ・フォール」が先週に開幕。ポイントランク134位の金谷は、先週の初戦で予選落ち。2週後の2戦目から再び戦いが始まる。

「難しいところ(米ツアー)で戦う上で、そういったところ(平常心)は苦手な部分なので、今週は本当に勉強になりました。次は(エースキャディの)ライオネルと一緒に優勝したい」。この優勝は来季のシード獲得、米ツアー初優勝に向けて大きな糧になりそうだ。

米ツアーでは「アイアンショットの精度」を課題とするが、フェアウェイキープ率は4位、リカバリー率は3位と金谷らしい部分は出ており、「一つひとつ、前に進んでいる感覚はある」。今週のような粘りのゴルフで、世界最高峰の舞台でも食らいつく。(文・小高拓)

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