
<住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 最終日◇21日◇新南愛知カントリークラブ 美浜コース(愛知県)◇6600ヤード・パー72>
6月の「ヨネックスレディス」で初優勝したプロ2年目の高野愛姫が、この日ベストの「66」をマークして3位に食い込んだ。前半のアウトで3つ伸ばし、後半も11番パー3でバーディを奪い、2メートルを沈めた14番パー4からは2連続バーディ。一時は首位にも並んだ。
「ヨネックスの最終日は一度もボードを見なかったけど、きょうはボードがあるところでは全部見ました。トップ10に入りたかったので、しっかり順位を確認した。上はずっと伸びていたので、『自分も伸ばさなきゃ』と思いながらやっていました」
涙の初優勝後は勢いが止まった。前週の国内メジャー「ソニー日本女子プロ選手権」で8位に入るまで、12試合で5度の予選落ち。決勝ラウンドに進んでも、最終日にスコアを崩すことが多かった。
「何かを変えたとかはないけど、変わったのは選手権でトップ10に入ってからです。大洗GCはすごく難しくて苦手なコースだけど、いい位置で戦えたことで、大丈夫だと思えるようになった。優勝できたことよりも自信になって、今週もいい気持ちで回ることができたと思います」
ヨネックスでは最終日に4打差を逆転した。今回は優勝には届かなかったが、5打差を2打差まで縮めた。2日目のスタートホールの1番パー4ではティショットを右OB。打ち直しの3打目は左に曲げ、結局5オン2パットのトリプルボギーを叩いた。3日間でスコアを落としたホールは最終日の17番パー4でのボギーと、2日目の魔の1番だけだ。
エアポケットにはまったようなトリプルボギーがなければ…。そんな“たられば”にも、1週間前が誕生日だった21歳は「あのトリプルがなかったら、きょうのスコアもなかったと思います」と笑った。
メルセデス・ランキング(MR)は前週の40位から34位に上がった。今季の目標は2勝目、そして11月の日米ツアー共催「TOTOジャパンクラシック」出場に定めているが、出場資格は「富士通レディース」(10月17~19日)終了時のMR上位35人。この位置をキープすれば、「活躍している人しか出られない大会。米ツアーの選手にも会えるので、出てみたい」という大会に出場することができる。
今季も残り10試合。まずはTOTO出場を確定させ、憧れのミンジ・リー(オーストラリア)に会いにいく。(文・臼杵孝志)