<ANAオープン 3日目◇20日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72>
前半4つ伸ばして折り返した蝉川泰果は、12番パー5で見せ場を作った。ティショットは左の林へ。ピンまで245ヤードでボールはラフに沈んでいた。目の前の木が少し邪魔になるが、「3番ウッドで行けると思った。木の下を通してドロー」の高等テクニックで9メートルに2オン成功。スネークラインを読み切ってイーグル奪取に成功した。
首位と6打差の14位タイから出たこの日、14番を終えた時点で3位前後にまで浮上していた。「14番ぐらいまでいいゴルフができていたんですけど…。その後、ドライバーショットが乱れたり、17番のボギーはもったいなかった」。バーディが欲しいホールで一歩後退して「66」。首位と5打差の7位タイでホールアウトした。
「もったいない」と振り返った17番パー5は、左ドッグレッグで2打目は林越えも可能な名物ホール。50回の大会の歴史の中で数々のドラマを生んできた。しかし、最近は木が生育して林越えの難度も上がっている。「もう気持ち(林が)低かったら狙えるな、って毎回思っています。木をもう少し切って欲しい」と、高いボールが打てるようになった蝉川が懇願するほどの圧がある。
この日の蝉川はピンまで225ヤード地点まで運んだが、2打目は林越えを避けて5番アイアンを選択。「レイアップ気味に、いってもグリーンエッジかな」とイメージして打った。結果は「完璧なポジション」というピンまで30ヤードの花道に運んだ。しかし、3打目はチャックり。20ヤードほどの4打目もチャックり気味で6メートルほどショートして、それを外してボギーとした。
先週から雨の日が多く、フェアウェイはぬかるんだ場所も多い。「花道あたりも日陰だからか、ゆるんでいて難しい」と花道といえども気を使うライになるという。
「あした17番をどう攻めるか。70とか80ヤード残すことも考えたり。もし優勝争いしてたらどうするか。戦略を練りたいです」と終盤の名物ホール対策に頭を悩ませる。
今季は「日本ゴルフツアー選手権」で優勝を挙げており、現在3試合連続トップ10入りと好調を維持している。「きょうは上位陣も伸ばしているので、あしたもビッグスコアが必要。伸ばせるだけ伸ばして、足りるか足りないかっていうような感じかな」。爆発力は折り紙付き。今季2勝目に向けて17番をどう攻めるか、見物だ。(文・小高拓)
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