
<日本シニアオープン 初日◇18日◇相模原ゴルフクラブ(神奈川県)◇6997ヤード・パー72>
昨年の「日本プロゴルフシニア選手権」でツアー通算2勝目を飾った増田伸洋は、今年7月末の海外シニアメジャー「ISPSハンダシニアオープン」(全英)に出場するも、初日の3ホール目で腰痛のため棄権。そこから治療に集中し、今大会が復帰戦となっている。
約2カ月間、クラブをまともに握れず、プールを歩くなどしてリハビリを続けた。そして、やっとラウンドできたのは2週間前。「カートに乗りながら」ではあったが、無事完走。しかし、思うようなショットは打てず「人前でできるゴルフではない」と、先週の「IASSシニア・プロアマ」は欠場していた。
今大会の開催前には「今週は腕試しかな…」と話していたが、蓋を開けてみれば1イーグル・3バーディ・1ボギーの「68」で回り、4アンダーの5位タイ発進。18ホールを回り切れるもだったというが、思いがけない好結果に「100点」と安どの表情を浮かべた。
「回復して(プレーが)できたのが、本当に良かった。うちの奥さんは『大丈夫?』って感じで、心配もかけていたから。病院の方や、治療院の方のおかげでここまで来られたので、すごくありがたいです」と感謝の気持ちを口にした。
出だしの10番ホールは「真っすぐ行くかな」と心配もあったが、しっかりフェアウェイをキープ。「バーディパットが打てて、パーで行けた。11番でバーディが取れて、とりあえずやっていこうと思ったけど、試合になると少し余計な力がね…」と苦笑い。そこから17番までパーを並べるも、18番パー5で「完璧な3つ(打)」と2オン1パットでイーグルを奪った。
後半は、7番でこの日初のボギーを喫したが、8番でバウンスバック。9番パー4ではティショットが左の林へ。目の前には木があったが、右のバンカーを避けて、グリーン左前にあるバンカー方向へレイアップ。バンカーに入るも、これは計算内。そこから50センチに寄せてパーフィニッシュを決めた。「そこは心の余裕があった。ボギーを打っても60台って(笑)」。前半の貯金のおかげでプレッシャーを感じずに、ピンチを乗り切った。
月曜日、火曜日のプロアマ戦で計36ホールをラウンド。水曜日は体のことを考えて練習のみで本戦に挑んだが、「練習ラウンドよりも断然疲れる。体に気をつかいながらで、ちょっと探り探りで…」と疲労感は否めない。ホールアウト後には、今大会の解説を務める青木功から「『お前、なに疲れてんだ』って言われてしまいました(笑)」というエピソードも明かした。
上位発進とはいえ、勝ちへの欲は、まだ出てこない。今週の目標は何といっても、体を壊さずに完走すること。来週にはディフェンディングチャンピオンとして挑む特別な舞台が控えているからだ。
「(来週の日本プロの)連覇は俺しかできないから。そこは頑張って(連覇を)やってみたいという気持ちはもちろんある。今週気合いを入れすぎて、来週また出られないってなったら嫌なので」。まずは4日間の完走を目指し、「無理をせず」に挑む。(文・高木彩音)