高橋勝成が“75歳44日”で自身の最年長出場記録を更新 メジャー出場の目的は「恥をかきたい」

<日本シニアオープン 初日◇18日◇相模原ゴルフクラブ(神奈川県)◇6997ヤード・パー72>

高橋勝成が今年、また大記録を打ち立てた。昨年大会で自身が更新した74歳38日を塗り替え、75歳44日の大会最年長出場を果たした。

当時は「いくつになってもチャレンジしたい」という気持ちがありつつも「来年が最後だと思う。自分の体がボロボロに近い。頭で整理してやろうとしても、体が言うこと聞かないよ」と引退も示唆していたが、「シードが来年いっぱいあるので、それまでちょっと頑張ろうかな」と、今年は前向きな言葉を口にした。

今年1月に腰の手術を行い、クラブを握れない日々もあった。痛みと戦いながらも開幕戦「ユニテックスシニアオープン」に出場。今季はここまで3試合に出ているが、「あまり経過が良くなくて。ゴルフはやっていたけども、痛みがひどかった。痛みがなくなったのは8月に入ってから」と、しっかりと振れるようになったのは、つい最近のこと。「力はなくなってきたけどね」と笑うが、大会初日にはボールが埋まったラフからウッドで力強く振り抜く姿が見られた。

ただ、本調子ではない。そんな中でメジャー出場を決めたのは「少し恥をかきたかった」と、自身に活を入れるためだった。「年を取ると恥をかくことって、もうないじゃないですか。なにを言われても直そうとしなくなる。こういうところで“ぎゃふん”と言ったほうがいい」と笑った。何歳になっても、大好きなゴルフでレベルアップしたい。

「いろいろ故障したけど、こういう大きい試合に出て、恥をかけば刺激になる。周りの人になんて言われてもいいから、刺激が欲しかった」。ホールアウト後は清々しい表情を見せていた。

予選ラウンドは“チーム高橋”の一人、2020年シニア賞金王の寺西明と同組だった。その“まな弟子”は2アンダー「70」で回り、上位でホールアウト。「いいゴルフやっていました。さすがですよ。50歳になっても、まだ夢があるんだなと。シニアの試合を作ってもらったことにとても感謝ですね。見ている人も、“頑張ろう”って気になるんじゃないかな」。

寺西は会社経営をしながら関西のトップアマとして活躍。49歳でプロテスト合格という異色の経歴を持つ。シニア1年目の16年にシード権を獲得し、17年に初優勝。以後、毎年勝ち星を重ね、20年にはツアーの頂点に立った。きょうの寺西のゴルフは、師匠から見て「素晴らしい」と高評価。まな弟子の成長も実感できる良い一日となった。

高橋は国内男子ツアー含む生涯獲得賞金ランキング上位20人に入っているため、シニアツアー入り後、1年シードを10回分(2016年よりカウント)使用することができる。そのシードも来年がラスト10回目。それまでは競技人生を満喫するつもりだ。

来週の「日本プロゴルフシニア選手権」にも出場を予定している。その前に、まずは目の前の第2ラウンド。「頑張るぞー!」。そう気合いを入れると、笑顔でまな弟子のもとに向かっていった。(文・高木彩音)

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