初の最終テスト進出、25歳・木下夏帆が上京し実感する成長 キャロウェイ『クロムツアーX』使用も大きな変化に

<Norton Next Generation Tournament 最終日(一日競技)◇17日◇富士桜カントリー俱楽部(山梨県)◇6193ヤード・パー72>

25歳の木下夏帆が、現在6度目のプロテストに挑んでいる。今年は初めて最終プロテスト(11月4~7日、岡山・JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部)に進出。さまざまな“トライ”が、ここまで実を結んでいる。
プロテスト第2次予選は、9~12日の日程で行われた千葉・ゴルフ倶楽部成田ハイツリーでのB地区に参加。そこをトータル3オーバーの17位タイで通過した。「今はホッとしています。ショットは荒れてたんですけどね」と、耐え抜いた4日間を明るく振り返る。

緊張感が高まるテストの舞台で、成長を続けている。2次では、こんな挑戦を結果に結びつけた。「普段はアプローチで58度(のウェッジ)しか使わないんですけど、コーライグリーンだったので、(ランを出すために)初めて48度を使って寄せたら、外してもパーを取れたり、それが大きかったですね」。本人にとっても「発見」というできごとが、プレーの幅を広げることにもなった。4日間通して使用した48度のアプローチについては、「最終も使えそうです」と自信を深めている。

熊本県出身で秀岳館高を出てからは、研修生として過ごしてきた。宮崎に移り、フェニックスCCでキャディ業務を行った時期もある。しかし、今年に入り東京に拠点を移すことを決断。5月に上京した。「東京だとたくさん試合があるので」。実戦的なラウンドをこなしながらテストの準備を進めるというのも、挑戦のひとつだ。

「香奈子ちゃんの存在は大きい」。昨年のプロテスト合格組、青木香奈子の助言も決断を後押しした。「技術の話もしますし、プライベートなこともなんでも話します」という“親友”だ。青木のプロデビュー戦(今年3月のVポイント×SMBCレディス)ではキャディも務めた。青木もフェニックスCCでキャディとして働いていた中、一念発起で上京し、テスト合格をつかんだことで知られている。『試合に出た方がいいよ! 拠点を移して一緒に頑張ろう!』。その言葉や姿が、今の木下にとって重要なロールモデルになっている。

環境だけでなく、ギア面でも変化が。そのひとつがボールで、今年からキャロウェイの『クロムツアーX』を使用している。使用してみて驚いたのが、風への強さ。「ドライバーのティショットで、アゲンストの時でも風に負けずにすごく飛んでくれるんです」と話す。「アイアンもスピンがほどよくかかってくれて、ピンに絡んでくれる。でもドライバーの時に、私は一番効果を実感しています。飛距離も5~10ヤードくらいアップしてるし、気持ちよく振れるようになりました」。この信頼感も、プロテストの時に大きかったと振り返る。

2次予選では2日目に「78」を叩きながら、そこからカムバックも果たした。「前半だけで『41』も打ってしまって」と、この時のことは苦々しく思い出すが、残りの2日間を「73」「70」と耐え抜いたことも、やはり自信につながっている。「(2日目を終えて)焦ったけど、3日目からは、『取れるところで取っていこう』と思えたんです。最終日はボギーもなく回れて、『東京に来て成長した部分があるんだな』って実感できました」。

最終テストの会場となるJFEは、「中3か高1の時に回ったことがあります」と、プレーしたことはあるが内容はうろ覚えという程度の接点。ただ、「めちゃくちゃ打ちました」という記憶は鮮明に残っている。これまではピンのみを目指す攻撃型スタイルが信条だったが、それも今年のプロテストからマネジメントを強く意識するようにし、変貌。「あの時とは(JFEが)違う見え方になってそう」というのも楽しみにしている点だ。

「(最終プロテストで)受かりたいのはもちろんですけど、あまり欲張りたくはない。今、足りない部分をもう少し磨いて、楽しく4日間プレーできたらいいなと思います」。親友に最高の報告を届けるため、新たな環境、新たな技、新たなボールとともに合格への準備を進めていく。(文・間宮輝憲)

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