
<Norton Next Generation Tournament 事前情報◇16日◇富士桜カントリー俱楽部(山梨県)◇6193ヤード・パー72>
今年6月に行われた「日本女子アマチュアゴルフ選手権」を最後に、アマチュア選手を表す“@”を外すことを決断した。22歳の國分彩那(こくぶ・あやな)は、“プロゴルファー”として『マイナビネクストヒロインゴルフツアー』(以下、ネクヒロ)に参戦する。
そのデビュー戦が、17日(水)に行われる今大会。「小さい頃から仲良し」という、同い年で同じ大阪出身の久世夏乃香から勧められたのがきっかけだ。「試合数もたくさんあるので(今季17試合)魅力的ですし、いいコースでやっているというのもある。レベルも高いので、そこで試合をしてうまくなりたい」。
今週は2週前に男子ツアーの「ロピア フジサンケイクラシック」が開催されたばかりの難関・富士桜CCが舞台。距離こそ違えど、ラフはほぼその時のままだ。腕を試すには文句なしの場所といえる。
大阪の好文学園女子高出身。2003年4月10日生まれで、女子ゴルフ界では竹田麗央、櫻井心那らと同じ、いわゆる“ダイヤモンド世代”のひとりだ。高校卒業後は、アマチュアとしてプロテスト合格を目指してきた。
「日本女子アマで優勝すると、(第1次、第2次が免除され)プロテストが最終からになるのもあって、そこを目指してきました。あとは(JLPGA)ツアーにも出たかった」
現在の日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の規定では、正会員以外のQT参加や、推薦でも試合出場は認められていない。つまりアマチュア資格を放棄すると、ツアーへの道が一度、閉ざされることになる。プロテストも含め、ツアーの仕組みを最大限に活用するための選択を、これまではしてきた。
だが、ここで一念発起。「大学に行っていれば、今年は4年生の年。もう(アマチュア資格を放棄しても)いいかなと思いました。十分アマチュアの試合は楽しめたし、違う環境で頑張りたい」。プロテストは今年を含め4回受験。2021、22年は最終まで進みながら、そこで涙をのんでいる。“あと一歩”を埋めるための決断だ。
「学生の頃は試合もたくさんあるけど、卒業すると少なくなる。今はアマ資格を放棄したほうが、いろいろな試合にも出られるし、自分にとってはいいと思いました」。今年はここまでトーナメントのマンデートーナメント(主催者推薦選考会)にも参加してきたが、「日本アマが終わると試合が減ってしまう」という。「テストに向けて大事」という秋に、しっかりと試合勘を養うのも狙いだ。
「お金のためというわけではないですが、“一打”が目に見える結果になる」。自らの腕で稼ぐプロとしての生活を、ここから歩んでいく。ネクヒロもそのひとつ。平均飛距離は230ヤードで、得意クラブにはパターを挙げ、「しぶといゴルフ」が信条だ。
「ピンが振られても、しっかりマネジメントしながら攻めていけるようになりたい。100ヤード以内のショットを練習して、パー5のピンチの3打目でも、そこから2打であがれるようにしたいです」。今年のプロテストは、1打及ばず第2次予選で敗退してしまったが、食べることが「大好き」とニッコリ笑う22歳は、ここからは始まるツアー生活で来年への準備を進めていくつもりだ。(文・間宮輝憲)