
ボーイングのケリー・オルトバーグ会長兼CEOは2025年9月11日、開発中の大型双発旅客機777Xの認証が遅れていることを明らかにしました。
「作業が山ほどある」CEO発言
ボーイングのケリー・オルトバーグ会長兼CEOは2025年9月11日、開発中の大型双発旅客機777Xの型式証明の取得が遅れていることを明らかにしました。
同機は2013年に開発計画がスタートし、当初は2020年の納入を予定していました。しかし、部品の納入遅れや労働力不足、新型コロナウイルスの感染拡大など、さまざまな要因が重なり、6年遅れとなる2026年での納入を目指していました。
ところが、モルガン・スタンレー主催の投資家向けカンファレンスで、オルトバーグCEOは「試験飛行で新たな技術的課題は見つかっていないが、認証までにやらなければならない作業が山ほどある」と状況を説明したうえで、「1か月遅れても問題ではないが、安定性を失う方が問題だ」と述べ、さらなる遅延の可能性についても言及しました。ただし、型式証明がいつごろまでずれ込むかについては明言を避けました。
777Xは、メーカー標準座席数が2クラス395席の777-8と426席の777-9の旅客型2機種に加え、貨物型の777-8Fを含む計3機種が投入される予定で、現時点では777-9の開発が先行して進められています。
777-9は全長約77メートルで、実用化されれば「世界最長の胴体を持つ旅客機」となります。426席の標準座席数を備えた大型モデルで、翼幅も70メートルを超えます。そのため、主翼の先端部分が折りたたみ式となっており、地上では翼をたたむことで、既存の空港設備に対応できる設計となっています。
2025年8月時点で、日本ではANAホールディングスが777-9を18機、777-8Fを2機発注済みです。