
<ソニー 日本女子プロ選手権 2日目◇12日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6840ヤード・パー72>
佐藤心結がメジャー制覇に向けて単独首位で折り返した。「65」をマークしトータル10アンダー。初日からボギーなしの完ぺきな内容で、2位に3打のリードをつけた。
明秀日立高出身で、この大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)ではたくさん練習をしてきた。難しさはよく知っている。『65というスコアは出るか?』という問いには、「ないです」と食い気味に返答。「イーブンで回れたらうれしいくらいの気持ち。まさか7アンダーが出るとは思っていなかった。一打一打、集中してできていた結果かな」と笑顔を見せた。
「アプローチがそんなに得意ではないので…」と、62.1387%(53位)のリカバリー率が課題だと感じていた。そして先週、台風接近により36ホールの短縮競技となった「ゴルフ5レディス」でヒントを得たという。
「金澤志奈さんと青木瀬令奈さんと2日間回らせてもらった。お二人ともアプローチ、パターが上手で、自分にないものをたくさん持っている選手。たくさん見て、たくさん勉強させてもらいました」。金澤はリカバリー率68.2081%(6位)、青木は65.8436%(13位)につけ、パターのスタッツも高く、小技を光らせる。
その技を“見て学び”、「自分と違いすぎる」と感じたのは力感。「得意ではないので自分が頑張っちゃうけれど、しっかりクラブに仕事をさせてあげる。力みすぎずに、リラックス状態で打とうと意識しています。ヘッドの重みを使いながら自分は頑張らない」。日没間際の最終18番では、20ヤードのラフからのアプローチを1メートル弱に寄せてパーを拾った。
渋野日向子らとプレーオフをするなどアマチュア時代から名を轟かせてプロ入り。昨年の「スタンレーレディス ホンダ」で念願のツアー初優勝を果たした。成長したところを聞かれると、心技体の“心”を挙げる。「セッティングされている山崎千佳代さんもそう話しているし、メンタルをコントロールしながら、浮き沈みのないラウンドができればというのは、ずっと考えています」。
最高の位置で折り返すが、「優勝という言葉はあまり意識しない」と冷静に話す。「何が一番強いかというと、コースに勝つことだけ。勝負の世界なので対“ヒト”ではあるけれど、コースに勝つことだけをテーマにプレーしたい」。大洗を攻略し、アンダースコアを並べることができれば、おのずと最高のエンディングもついてくる。(文・笠井あかり)