「落ちたら人生の終わり」から「楽しい」場所へ 先週初Vのルーキー荒木優奈が挑む“思い出の地”

<ソニー 日本女子プロ選手権 事前情報◇10日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6840ヤード・パー72>

昨年11月、最終プロテストを受けるひとりとして大洗GCを訪れた時は、「大袈裟に言ったら、“落ちたら人生の終わり”みたいな気持ちでした」と大きなプレッシャーを背負っていた。だが先週の「ゴルフ5レディス」で初優勝を挙げたルーキーの荒木優奈は、「今週はそこまで自分を追い込む感じはなくて、すごい楽しみ」と、あの時とは“180度異なる心境”でコースの景色を眺めている。
日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長が「大洗で女子の試合をやりたかった」と興奮気味に話した難コースを、すでに経験しているのはアドバンテージといえる。ただ、その時は6602ヤードだった設定に対し、今週は6840ヤードと238ヤードも総距離が違う。もちろんラフも長いなど、メジャー仕様で選手を待ち受ける。

だが荒木は練習ラウンドで「プロテストのときのほうが、『ここに行ったらダメだ』とか『ヤバい』とか、難しいところばかり見つけてしまっていた。自分で勝手に難しくしていたんだなと思います」ということを感じた。それでも、大きな“重荷”を背負いながら、テストはトータル6アンダーに4日間のスコアをまとめ、4位タイで合格証を手にしている。

セッティングは厳しくなっても、気持ち的には今回の方が楽。それに加え、優勝という事実も背中を押す。コースセッティングを担当した山崎千佳代は、プロテストで大洗を経験したルーキーたちについて、「実際はラフも深いし狭く感じるはずなのに、テストの時よりも広く感じると話す選手がいたり、やっぱり精神的なものは大きい。ルーキーの言葉は頼もしいですよね。勢いだけでは攻略できないけど、前向きでいいなと思うし、勢いにも期待したい」と新人のたくましさに目を細めた。

開催時期もメジャーは9月でプロテストは11月と、季節的な違いもある。例えば、芝の印象だって異なりそうだ。さらにシーサイドコース特有の風も、今週の予報は毎日、その向きを変えると出ている。それでも荒木は、「すごく楽しみにしていた大会。練習ラウンドでは『懐かしい』とも思いました。自信を持って選手権に挑めるのがすごいうれしい」と、スタートを待ちわびている。

初優勝の反響は大きく、「インスタとかLINEなどで、たくさんメッセージをいただいて、今週は会場でもたくさん『おめでとう』を言ってもらえてうれしかった」と笑みもこぼれる。テストの時から成長した点を聞かれると、「アイアンで自信を持ってピンを狙えるようになった」とも話す。これは「良い時も悪い時もあると考えられるようになった。狙っておけばよかったと後悔したくないし、とんでもないピンポジ以外は基本的に狙うようになれました」と補足する。20歳のルーキーは、“勢いそのままに”ビッグタイトルもしっかりと狙っていく。(文・間宮輝憲)

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