3週連続トップ5でメジャーに乗り込む永井花奈 ヤマハの未発表アイアンは8年ぶりVにつながる“お助けクラブ”

<ソニー 日本女子プロ選手権 事前情報◇10日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6840ヤード・パー72>

今季国内メジャー第2戦「ソニー 日本女子プロゴルフ選手権」が11日に開幕。好調を維持して乗り込んできたのが永井花奈だ。2016年からツアーに参戦して出場試合数は306試合を数えるが、先週まで自身初の3週連続トップ5入り(2位タイ、4位タイ、3位)と、キャリア初の“いい流れ”でメジャーの舞台を迎える。
先週の「ゴルフ5レディス」では最終日の後半に一時は首位タイに並んだが、終盤の15番でミスが重なって痛恨のボギー。終わってみれば2打差の3位だった。「15番のボギーだけが悔しい」としながらも、最終日の目標である6バーディを達成してゴルフの状態の良さを再確認できた。

この3戦の好成績を振り返ると、「全体的に不安要素がないというのが一番大きい」と総合的に平均点の高さを感じている。「何かが特化していいというものがあるわけでもないんです。パターを替えたところはあるけど、不安な部分がないのが一番回りやすい。そのマインドでできています」と、どんな状況になっても不安を抱えたまま打つショットやストロークがないのが成績の要因に挙げた。

3連続トップ5のはじまりの「CATレディース」では、きっかけともいえるパター変更があった。「8年くらい自宅に眠っていた」という2017年発売のテーラーメイドのパター『スパイダー ツアーレッド』を投入した。「このインサートがいいんです」とフェースに埋め込まれた黒いインサートの『ピュアロール』が好感触。最近のインサートは直進性がよすぎて永井のイメージと合わないこともあったが、黒いインサートはイメージどおりのタッチが出せるようになった。

また、先週からクラブ構成を少し変えたことで、より不安がなくなった。今年6月から「高く上がってくれて(想像以上に)飛びすぎることなく距離感を合わせやすい」と、契約するヤマハの未発表モデル『RMX DD』と書かれたユーティリティ3本(3番、4番、5番)使用してきたが、先週は5番ユーティリティを6番アイアンにスイッチした。

「5番ユーティリティもよかったのですが、緊張した時にフェードでコントロールしようとすると、性能的につかまりがいいクラブなので、右に切れることなく真っすぐ飛んでしまうんです」。上位で戦っている場面で、コントロールして置きに行きたい時に、“曲がらないお助けクラブ”の性能が逆に曲げたいショットを打ちにくくしていた。

先週使用した6番アイアンは、こちらもヤマハの未発表モデルで『RMX DD-2』の刻印がある。メーカー担当者は詳細を明かさないが、いわゆる“飛び系”に分類されるアイアンに見える。

もともと永井は「6番アイアンはある程度上から入れて振れていないとボールが上がらない」と、難しい6番アイアンよりやさしいユーティリティにスイッチをし、しばらく7番アイアンからの構成にしていた。

今回の未発表の6番アイアンは「高さが出てくれたのが大きい」とやさしく高い球が打てることに一目惚れ。そしてユーティリティよりも「曲がり幅がコントロールしやすい」と緊張した場面でも思い通りの弾道を打てることで投入を決めた。新しい6番アイアンのおかげで、数少ない不安要素が解消された。

今大会の大洗GCは2014年にベスト32に入った「日本女子アマ」以来だが、11年ぶりにラウンドをすると「まったく覚えていない。新鮮な気持ちでプレーできる」と話す。深いラフ、うねったフェアウェイのライン、そして空に松の枝が張り出した空中のハザードも点在。「ミスをしたら無茶をしない。林に入ったら確実にフェアウェイに出せるルートを探す」と、ゴルフにはつきもののミスへの対処法を攻略のカギに挙げる。

6800ヤード越えの距離の長さからユーティリティや6番アイアンの出番は増えそう。緊張した場面でも思い通りの球筋が打てる6番アイアンは、2017年の「樋口久子 三菱電機レディス」以来8年ぶりの優勝、そしてメジャー初制覇に向けての“ラストピース”と言えるかもしれない。(文・小高拓)

externallink関連リンク

随時更新! ソニー 日本女子プロのリーダーボード  永井花奈 プロフィール&成績 永井花奈さんの肩出しドレス【写真】 軟鉄鍛造アイアンが流行中! 女子プロたちは何を使っている? 小祝さくらが来季シード権を喪失? シード獲得の方法は
externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)