
「ゴルフ5レディス」は、20歳のルーキー、荒木優奈が初優勝を飾った。アマチュア時代に「日本ジュニア」を制し、ナショナルチームでも活躍した実力者。そのスイングをプロコーチの南秀樹が分析。我々が参考にしたいポイントも挙げてもらった。
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荒木選手はインサイド・アウトに振っていくドローヒッター。ダウンスイングでは胸の面を右に向けてクラブをインサイドから下ろしていきます。しかし、インパクトからフォローにかけては無理に胸の面を残さず、スムーズに体を旋回させてます。また右肩がやや下がりますが、腰が浮いたり、体が伸び上がったりする動きは見られません。左足の踏ん張り、粘り強さがありつつ、体の柔軟性も感じさせます。
インパクトは両ヒジが曲がったまま、インパクト後にヘッドが腰の高さを過ぎるあたりまでその形をキープしています。これは、インパクト前後で体の回転とアームローテーションで緩やかにフェースをターンさせている証拠。フェース管理がしっかりとできるので、精度の高いドライバーショットにつながっています。
やや右に打ち出して、落ち際で左に曲がり目標に戻ってくるナチュラルドローは、彼女のように体の回転でボールをつかまえることが欠かせません。右ヒジを軽く曲げて、後方線上から見て、右肩が前に出たり、右ヒジが伸びたりしないようアドレスしましょう。それでいて右肩を必要以上に下げないことに注意してください。
ドローを打とうとすると、ダウンスイングで胸の面を右に残そうとしがちですが、頭が右に残っていればOK。左足体重で頭(軸)を右に残すと、クラブと体の引っ張り合いができ、前傾角もキープしやすいので、インサイドからフェースを開かずにクラブを下ろせます。
これらの動きをつかむには、スプリットハンドでティアップしたボールを打つ練習が効果的。7番アイアンで、拳1個分両手を離してクラブを持ったら、常に体の正面にクラブがあるように腕を返さずスイング。体のターンで打てればクラブが寝ず、フェースも開きません。
■荒木優奈
あらき・ゆうな/2005年生まれ、熊本県出身。アマチュア時代から活躍し、22年からはナショナルチームに選出。23年に受けた初のプロテストは不合格に終わったが、24年に合格し、JLPGA新人戦でも優勝。ルーキーイヤーとなる今年「ゴルフ5レディス」でツアー初優勝を挙げた。Sky所属。
■解説:南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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