「ミサイルは高い、機関砲は危険…」米軍 ドローン撃墜のために“第3の選択肢”を大量購入 どう使う?

アメリカ国防総省は2025年8月28日、BAEシステムズ社と最大5万5000発の高度精密迎撃兵器システムII(APKWS)ロケット弾の購入契約を締結したと発表しました。

ロケット弾でドローン撃墜

 アメリカ国防総省は2025年8月28日、BAEシステムズと最大5万5000発の高度精密迎撃兵器システムII(APKWS)ロケット弾の購入契約を締結したと発表しました。

 このロケット弾は、総額約17億ドル(約2465億円)で調達される予定で、主な導入目的はドローン対策にあります。APKWSは、無誘導のハイドラ70ロケット弾にレーザー誘導キットを装着することで、精密誘導が可能となった兵器です。

 本来は地上攻撃用の誘導兵器ですが、有人機よりも低速な自爆型ドローンや偵察用ドローンに対しては、空中からの発射による撃墜が可能です。アメリカ軍はすでに、イエメンの反政府武装組織「フーシ派」の無人機対策として、紅海、アデン湾、バブ・エル・マンデブ海峡などで同兵器を運用した実績があります。

 APKWSの単価はおよそ4万ドル(約580万円)とされています。一方、アメリカ軍戦闘機が搭載する空対空ミサイル、AIM-120「アムラーム」は1発約100万ドル(約1億4500万円)、AIM-9「サイドワインダー」は約50万ドル(約7250万円)とされており、それらと比較するとAPKWSは非常に費用対効果の高い兵器といえます。

 さらに、搭載弾数が多いのも利点です。たとえば、F-15E「ストライクイーグル」戦闘機にAPKWS用のランチャーを6基搭載した場合、最大で42発の発射が可能となり、それだけ多くの攻撃機会を確保できます。

 もちろん、より安価な迎撃手段として機関砲を使用する方法もありますが、この場合は目標にかなり接近する必要があり、自爆型ドローンなどに対しては、撃墜時の破片による被害や、速度差による事故のリスクも伴います。

 そのため、APKWSは機関砲と高価なミサイルの中間に位置する「比較的コストパフォーマンスに優れた、安全な対ドローン兵器」としての役割を果たすと期待されています。

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