知られざる「自衛官の婚活事情」初見殺しな“トーキングフェス” 行ってみたら赤っ恥でした!

昨今、自衛官と結婚したいという女性が増えているとか。そこで、海上自衛官の妻である筆者が夫と知り合った当初のことを振り返ったら、あまりにも赤面ものの馴れ初めを思い出してしまいました。

初見で「やっちまった」馴れ初めの場

 結婚というと、少し前までは「して当たり前」と思われていた時もありました。しかし昨今はSNSなどで、結婚のメリット・デメリットについて自由に語られる時代。

「結婚しない」という選択をしてもポジティブに受け止められたり、気の合う友人とルームシェアしたり……。多様性を大切にする令和の時代では、人生の楽しみ方も増えてきました。もはや「結婚=幸せのゴール」ではないのかもしれません。

 しかし、そんな現代の風潮とは少し違った空気が流れている組織があります。それが海上自衛隊です。

 女性隊員も増えてきたとはいえ、一度出港すれば海の上。俗世との接点がほとんどなく、出会いのチャンスは極端に少ない。そのため、慢性的な彼女・嫁不足に悩まされているのが海の男たち、というわけです。

 かつては上級海曹会(各部隊に勤務する海曹長および一等海曹で構成される任意団体)のおじさまたちが、若手隊員の出会いを応援すべく「トーキングフェスティバル」という婚活パーティーを主催していました。

 かくいう私もこのイベントに参加したことがあるのですが、当時は口コミでしか実情が知られていなかったためか、その募集要項も「トーキングフェスティバルを開催します」「募集:日本国籍を有する女性〇〇名」「海上自衛官とお話しませんか」という、知る人ぞ知る的な告知のみ。あまりにも初見殺しのそっけなさに、女性を対象とした弁論大会と勘違いした私は、いつもの海自イベントのノリで応募したのです。

 結果、私(たいらさおり:漫画家/デザイナー)は普段着、すなわちデニム(!?)でパーティー会場へ入りました。周りとは全然違う出で立ちに「謎の女」と化し、部屋の隅で呆然としていたものの、そこで隊員として参加していたやこさんに拾われ、その後まさかの結婚までに至りました。

海上自衛官と結婚する場合のポイントは?

 こうして振り返ってみると、我ながら「よく結婚できたな」と思えるほど急カーブでの馴れ初めですが、とにかく海上自衛官にとって出会いは奇跡のようなもの。どんなきっかけでも結婚につながれば拍手喝采といった具合です。ちなみに、現在では海上自衛隊の婚活パーティーは民間のサービスが引き継ぎ、定期的に婚活イベントを開催しています。

 ほかにも、同僚からの紹介や上官個人主催による婚活イベントなど、とにかく婚活に積極的な海上自衛隊ですが、決して「女性に家事を任せたい」というような古臭い考えからではありません。むしろ海上自衛官の多くは、任務の特性上、洗濯・掃除・アイロンがけといった家事スキルにおいて非常に高いレベルの自立力を持っています。料理は個人差がありますが、少なくとも洗濯物のたたみ方とワイシャツの仕上がりには一家言あるタイプが多めです。

 つまり、海上自衛隊の結婚観は「家事の分担」ではなく「チームとして支え合う」ことが前提。配偶者とは、人生という海を航海する仲間そのもの。誰かが一方的に負担を背負うのではなく、お互いが無理のない範囲で力を出し合うパートナーシップが大切なのは間違いありません。

 さらに艦艇勤務ともなれば、年間の半分は海の上。連絡もままならない期間があるため、相手に依存しすぎず、精神的にも物理的にも自立した関係性が理想となってきます。

 というわけで、次回は「海上自衛官と結婚したい」「ちょっと興味があるかも」という方に向けて、知っておくべき海自ならではの特徴や、婚活時に押さえておきたいポイントをお届けします。

 特別職国家公務員ならではの独特な文化、その奥深さ(?)を一緒にのぞいてみましょう!

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