選手を狂わせる“グリーンの傾斜”&“標高” 初優勝者の誕生にも期待?【大西翔太のSHOWTIME】

<CAT Ladies 初日◇22日◇大箱根カントリークラブ(神奈川県)◇6652ヤード・パー72>

国内女子ツアーの今季第22戦は、先週の軽井沢に続き高地が会場になる。山々を望む景色もキレイなコースでの熱戦。その展望を、普段は青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務め、今週はラウンドレポーターとして大会に参加する大西翔太氏が占う。
■仕上がったグリーンが警戒ポイント

日陰になると涼しさも感じるコースで、大西氏が最も警戒ポイントに挙げたのがグリーンだった。「大箱根はグリーンの硬さによってスコアが変わります。やわらかければ15アンダーくらいは出るし、硬いと一桁ということも。ここまで夏場の大会はやわらかいグリーンが続きましたが、今週は硬めに仕上がっています。さらに、速さもかなり出ているそうです」。

その仕上がり具合に加え、細かな傾斜も多いのが特徴。同じグリーン面でも、必ずしも傾斜が一方向というわけではないうえに、ピンもしっかりそういった場所に切られるから厄介だ。それゆえ、つける場所はもちろんのこと、「外してもいい場所、外してはダメな場所も明確です。外したらボギーが確定するという場所も多いです」と、見極めが重要になってくる。「パットを軽く打っただけで傾斜の下までいって3パット、4パットするグリーンもあります」。逆算が重要になる。

また、高地というのも、プレーに影響を及ぼす。先週の軽井沢は飛距離が1番手変わるほどの高地だったが、今週は「番手が変わるほどではない」と説明。とはいえ、もちろん飛距離は「数ヤード」伸びる。そしてそれが、微妙な距離感を狂わせる要因にもなると話す。

「飛ぶ選手は有利なコースですが、標高もあるので(飛距離の)バラつきは大きくなる。毎年、優勝争いをしている選手の縦距離が、終盤に合わなくなるという場面をよく見かけます。アドレナリンで振れてしまうことと標高によって、オーバー目に打ってしまうケースが多い。優勝争いをしている時に番手で迷ったら、短い方を選ぶくらいでもいいのかもしれません」。

グリーン、ショットともに“繊細”な気づかいが求められる。

■初優勝も多く生まれている大会だが…

そのなかで活躍を期待する選手として、まずは前年覇者の川﨑春花の名前を挙げる。昨年は前述したような距離感などに対応し、2位に3打差をつけ快勝した。「調子も徐々に上がってます。優勝した試合とあって強い気持ちで臨むはずです。ドローボールの幅も狭まってきて、安定してきました。ショットの精度も良くなってますし、そろそろエンジンがかかってきそうです」。2週前の「北海道meijiカップ」では今季初となるトップ10入り(9位)。連覇もあるとみている。

また今大会は初優勝者が多く生まれる大会でもあり、近年も大里桃子(2018年)、淺井咲希(19年)、蛭田みな美(23年)が、ここで初めてトロフィーを掲げた。

その流れから菅楓華が存在感を発揮するのでは、と占う。「ショット、アプローチ、パターとすべてに穴がない。初優勝に最も近い選手のひとりですし、ゾーンに入っても不思議ではありません」。現在4試合連続でトップ10入りという好調ぶりも、その読みを後押しする。

そしてもうひとり。地元・神奈川県出身の鶴岡果恋にも注目。今季もドライビングディスタンスで247.64ヤード(17位)を誇る飛ばし屋が、地元で初優勝を…という週末もイメージしている。先週は予選落ちしたが、その前は2試合連続2位と状態はいい。「自信が見てとれます。『身長180センチくらいあるんじゃない?』と思うくらい雰囲気が出ていますよ」。悲願成就にはうってつけの場所だ。

大西氏も「初優勝者が出るかもしれないですね」という展開を楽しみに待つ。優勝の副賞が、大会を主催する日本キャタピラーの重機というのも特徴の大会。今年、その操縦席に乗って記念撮影をする選手は、いったい誰になるのだろうか?

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツへと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。また現在、安田祐香の指導にもあたっている。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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