<CAT Ladies 事前情報◇21日◇大箱根カントリークラブ(神奈川県)◇6652ヤード・パー72>
「1つでも多く勝ちたいですね」。こう力強く意気込んだのは、先週、6年ぶりとなるツアー3勝目を飾った柏原明日架だ。メールなどで届いたお祝いの連絡は数百件。「幸せだなあと思いながら3日かけて返しました」。多くの応援も力に、早くも次なる優勝を狙っていく。
激闘の翌日も、柏原はいつも通りの月曜日を過ごした。「朝から片づけをして、ネイルに行って、超元気でした。優勝する前からの予定を変わらずこなせたので、まだまだ若いなって(笑)」。来年1月で30歳。次々に新しい世代が活躍する女子ゴルフ界だけに、ベテランという扱いを受ける日も近づいているが、いまだに元気いっぱいだ。
久々の優勝を手にしても、試合に臨む気持ちは変わらない。「1つでも多く勝ちたいという思いは変わらないですし、父も“2連勝してもいいんだよ”って、そういうテンションでいてくれる。それはありがたいですね」。2週連続Vではなかったが、2019年の初優勝時は間を空けず、1カ月後に2勝目を飾っている。「(当時の)キャディさんが『まだまだ勝とう』と言ってくれたことが2勝目の勝因。今回も父やコーチ、チームが同じような雰囲気を作ってくれている」と話した。
取り組むこともこれまで通り。「パーオン率やグリーンを狙うショットの球筋のジャッジだったり、ここ数年抱えている課題をどれだけ試合でクリアできるかだと思っています」。以前はこの課題をクリアしたらどんな結果が待っているのか、常に先を意識していたが、今は目の前のことに集中できている。考え方がよりシンプルになったことで、「体だけじゃなく、脳も疲れなくなりました」。これも元気でいられる要因だ。
例年のコースコンディションからグリーンが硬く速くなることは想定済み。「先週とは対照的で、グリーンに乗せる場所も大事だし、そこからどうしのぐのかも大事。グリーン上のプレーは先週とは違ってくるのかなと思います」。好調の柏原にとっても、ここは要警戒のポイントだ。
「アマ時代からがむしゃら。スコアが良くなるなら、いろいろやってみたいタイプ。練習もたくさんしたし、いろんな人の話を聞いていました。プロ12年目でようやく、自分に合っているのかが分かって、いらないものを捨てられるようになりました」。一つひとつの言葉から感じさせるのは円熟味。新たな境地に辿り着いた今の柏原なら、2週連続優勝も十分にあり得そうだ。(文・田中宏治)
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