滝川第二高校、東北福祉大学のゴルフ部で腕を磨き、現在はJPDA(日本プロドラコン協会)ドラコンプロとして活躍する松浦美侑。身長161センチ・58キロという体格ながらも、鹿児島県の三豊ゴルフクラブの練習場で開催された試合にて、自身最長の305ヤードを記録している。そんな彼女になぜドラコン競技に挑戦するようになったのかを取材した。
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―ドラコンを始める前は、ツアープロを目指していた
ゴルフを始めたのは小学生のとき。父親に「ソフトボールをやるか、ゴルフをやるか選べ」って言われて、ゴルフにしました。だってソフトボールは球が全然バットに当たらなくて……ゴルフはすぐに当たって楽しかったんです。
中学では、自分のやりたいことをやってみたいなと思ってバスケットボール部に入りました。フォワードをやっていて、センターもできるんです!なぜかリバウンドが結構獲れるんですよね。もうずっとやっていないけど、(ゴルフ以外で)唯一ルールが分かるスポーツなので観に行きたいな~なんて思っています。
お父さんと高校からゴルフを再開すると約束していたので滝川第二高校に進学。家からは1時間くらいだったんですけど、「兵庫でゴルフ部と言えば“滝川第二”」というのがあって選びました。その後、地元を離れて宮城県の東北福祉大学に進学しました。これも大学でゴルフと言えば……と思い選びましたね。卒業のタイミングで、小さい頃からずっとゴルフをしていて、ツアーで活躍するのが夢だったので、2021年から23年まで(JLPGA)プロテストを受けました。が、壁が高かった。一旦ツアーへの挑戦はやめました。
―一気に魅了された“ドラコン”
ただ、やっぱり何かには挑戦していたい、今までずっとやってきたゴルフを通して目標を追い続けたいという思いがあったんです。そんなときに知り合いのドラコンプロの方から声をかけていただいて、やってみたというのがドラコンとの出会いでした。
そしたら……想像以上に楽しかった。
私はそんなに集中力が長続きする方じゃありません。ドラコンは、1セット1分半、それを3セットでやる競技なので、5分以内には勝敗が決まる。考える必要がない感じもいいし、ゴルフと真逆でたくさん騒いでいいんですよ。応援してくれるのも嬉しいし、応援するのも楽しい。音楽もガンガンかかっていて、とにかく振りまくれる。
ゴルフでこんなに振れることってないじゃないですか。18ホールあると、振るのが怖いホールもあるし、スコアをまとめないといけないので気持ちよく振れない。色んなことが今までと“真逆”の体験で新鮮だったんです。24年からは、JPDA(日本プロドラコン協会)でドラコンプロとして、各地で行われる大会に出場しています。
―ドラコンと同時期に始めたレッスン活動
ドラコンを始めたのと同じくらいからレッスン活動も行っています。私、喜んでもらえるのが好きなんです。レッスンして、生徒さんが良くなって喜んでいるのを見ると、楽しいし、やりがいがあるなって感じます。実は人見知りなんですが、おしゃべりは大好きなので、打つ直前までずっと喋っていて、それが面白いって言ってもらえるのも嬉しいですね。
基本的にラウンドレッスンですが、ありがたいことに多い月は20回くらいやっています。生徒さんの多くは、「飛ばしたい!」と思っている人が圧倒的に多い印象です。私は自分の体がゴツイって思ってるんですけど、男性から見たらやっぱり小さいじゃないですか。だから、どうして飛ばせるのか気になって来てくださるんです。
「体が大きくなくても、力が強くなくても飛ばせるんだ」と伝えますし、私がそれを証明しているので納得してくれますね(笑)。
―今の目標は?
私の出ている階級で日本一を獲りたい。優勝するには平均290~300ヤードくらいは必要なんです。今、私の最長飛距離は305ヤードなので、なかなか過酷な道ですね。ただ、挑戦していれば、(今より良くなるために)自分がどんどん考え、学んでいくじゃないですか。それがレッスンにも生きてくると思うんです。だから、日本一を掲げるし、ずっと挑戦は続けたいですね。
■松浦美侑
まつうら・みゆ/ 1998年生まれ、兵庫県出身。東北福祉大学ゴルフ部でプレー後、JPDAドラコンプロとして活躍。最長記録は305ヤード。現在はレッスンプロとしても活躍中。
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