米ツアー初Vの岩井明愛 「トランポリンの上からでも打てそう」な安定感抜群の理由とは?【優勝者のスイング】

今季から米国女子ツアーに参戦している岩井明愛。双子の妹・千怜が先に初優勝を挙げるなか、あと一歩届かない日々が続いたが「スタンダード・ポートランドクラシック」で、ついに初優勝を遂げた。そのスイングをプロコーチの南秀樹が分析する。

機械的な動きがなく、自由自在に体を動かし、イメージした球を打っていく。どのポジションでも無理がなく、遊びがある、余裕が見られるので、ちょっとしたタイミングのズレや、さまざまなライにも対応できるスイングだと思います。
 
下半身の柔らかさが特徴のひとつです。トランポリンやバランスディスク、たとえ足場が不安定でも、それを下半身で吸収して上半身には影響させないくらいの柔らかさを感じます。ダウンスイングは下半身でクラブを引っ張ってきますが、その際のヒザの使い方が上手く、高さを変えずにレベルターンというよりは、やや体重を右に残しながら何か起こっても対応できる、余裕を持ってターンしていているように見えます。
 
飛ばす選手に共通するアームロテーションを使っていきますが、下半身を先行させてタメを作りながら、腕は力むことなくターンしていくので、肩の回転もとてもスムーズです。インパクトは通過点という言葉がピタリとハマるような、切り返しで左足をギュッと踏み込みながら、その後はスッと回っていく。フィニッシュまでの滑らかさは秀逸です。
 
スイング中に前傾をキープしようとすれば、インパクト以降に目線を下から使いやすくなりますが、これはクラブが下から入りやすくなる原因。明愛さんは前傾角をキープしながらも、無理に頭を残そうとせずに、上手くヨコ回転していくのでスイングプレーンが安定していると思います。

フィニッシュでは余計な力みがなく、バランスよく立っており「まだまだ速く振れる」という余裕さえ感じさせます。ですから、多少タイミングがズレてもスイング中に修正することができ、大きなミスが出にくいのだと思います。
 
■岩井明愛
いわい・あきえ/ 2002年生まれ、埼玉県出身。23、24年と2年連続で年間3勝を挙げて、国内女子ツアー通算6勝。平均飛距離は2年連続で257ヤード台に乗せた。今季から米国女子ツアーを主戦場としている。Honda所属。

■解説:南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。

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