
米国と欧州の対抗戦「ライダーカップ」の開幕が5週間後に迫っている。ゴルフ界最大のイベントを前に、欧州の名手たちが米国チーム主将キーガン・ブラッドリーに“警告”を放ったと、英国『ザ・テレグラフ』が報じた。
焦点はただ一つ。『ブラッドリーが自らを選手に指名するのか?』。ライダーカップに8度出場したサム・トーランス(スコットランド)は「もしそうなれば、ライダーカップ史上最悪の主将の決断になる」と厳しく断じた。
欧州の名手たちも同調。ニック・ファルド(イングランド)は「ファンやメディアから批判され、一生後悔する」と警告し、イアン・ウーズナム(ウェールズ)も「キャプテンがコースにいると必要な指示を出せない」と否定的だった。
しかし、当のブラッドリーは選手兼任に前向きだ。実現すれば62年ぶり、故アーノルド・パーマー以来の快挙。欧州キャプテンのルーク・ドナルド(イングランド)とも協議し、プレー中は副主将が代理指揮できるよう規約を改定。準備も整えている。
副主将のブラント・スネデカーは当初「両立は不可能」と語っていたが、今週には「彼ならできる」と意見を翻した。「驚くほど冷静に役割を切り分けている。最高の12人の一人と感じるなら、僕らは支えるだけ」と後押しする。
ブラッドリーが選手にこだわる理由の一つとして、2年前の落選がある。当時世界ランキング11位で主将推薦の有力候補だったが、主将のザック・ジョンソンはブラッドリーを選出しなかった。ジョンソンと親しい仲の選手を選んだとして、「仲良しクラブだ」などの批判も噴出した。
落選直後、ブラッドリーはSNSで「努力は実を結ばなかった。でも、そうなってしまった今、僕はチームの後方支援に回るときだ。チームメンバーのために最大限の応援をしたい」と潔さを示し、この姿勢には賞賛の嵐が巻き起こった。
それから2年後。今度は自身が主将の立場となった。現在、ブラッドリーの世界ランキングは13位。今季は「トラベラーズ選手権」で制すなど実力は健在だ。批判覚悟で自分を選ぶのか、それとも身を引くのか――。注目の推薦選手6人は、現地時間27日(水)に発表される。