
<ISPS HANDA 夏に爆発どれだけバーディー取れるんだトーナメント 最終日◇17日◇御前水ゴルフ倶楽部(北海道)◇6932ヤード・パー72>
4日間でトータル30アンダーという歴代日本人選手最少スコアタイで、3年振りにツアー通算7勝目を飾った比嘉一貴。既報の通り、この大会から新投入したのはテーラーメイド『Qi35』の3・7Wだったが、一番貢献したのは「ウェッジ」。そして、入りまくったキャメロンパターもマレット型に変更したばかりだった。男子ツアー担当者に、比嘉はこうフィードバック。
「優勝する前の数試合はキャメロンのブレードタイプを使用していて、それも良かったのですが、北海道の会場に来る前に自宅で以前もらった『Phantom 9』を構えたところ、とても構えやすく感じたので、それを試合会場に持ち込み練習しました。すると、さらにフィーリングも良かったので試合でも『Phantom9』で臨みました。勝負所でも自信を持って決め切れたのもこのパターのおかげです」(比嘉)
ブレード型だった前戦「リシャール・ミルチャリティ」では、トータル18アンダーの8位に入り、平均パットは「1.7069」の27位だった。マレット型にした今大会では、トータル30アンダーの優勝で、平均パットは「1.5714」の4位。切れ味鋭いショットで短いパットが多かったこともあるが、マレットならではの【長い線】のアライメント効果が出た面もありそうだ。
同じマレット型の『ファントム9』でも、直近で日本でも展開された限定モデル『PHANTOM BLACK』で採用された『9.2R』は、角に丸みを帯びアライメントラインが短く、比嘉のモノや市販品と全く異なっている。こういった【短い線】が合う選手もツアープレーヤーには意外に多いと、PGAツアー担当のポール・ヴィザンコ氏はこう説明する。
「短いトップラインは基準点になります。線がリーディングエッジまで真っすぐ伸びているのが好まれていて、ボールをどこにセットすべきかハッキリ分かります。パターの真ん中に【短い線】を入れますが、このタイプを好む選手は【長い線】を敬遠します。長すぎると左や右を向いているように見えてしまうので。そこで線を短くして、トップラインの基準とボールを置く場所の参考になり、フェースのアライメントを助けるためのちょうど良い視覚的な手掛かりを与えています。(9.2Rは)本当にすっきりしたルックスで、【長い線】を好まない選手も多いため、シンプルに短くしただけなんですよ」(ヴィザンコ氏)
ヘッドタイプは同じでも、ツアープレーヤーにとって「アライメントラインの長さ」も非常に重要な要素。この線の長さの合う・合わないで、入る確率に大きな影響を及ぼすこともあるようだ。
【比嘉一貴の優勝セッティング】
1W:ピンG440 MAX(9°ディアマナ BB 63X)
3W:テーラーメイドQi35(16.5°Tour AD F-75X)※3W HL
7W:テーラーメイドQi35(21°Tour AD F-85X)
4U:タイトリストU505(22°テンセイ1K 90HY-TX)※2023年モデル
5I:スリクソンZX5(N.S.PROモーダス3ツアー125)
6I〜9I:ミズノS3(プロジェクトX6.0)
PW:ブリヂストン221CB(プロジェクトX6.0)
51°:ブリヂストンTOUR B BRM2(プロジェクトX6.0)
55,59°:TOUR Bウェッジ(DG EXツアーイシュー ウェッジ)
PT:スコッティ・キャメロンPhantom9プロトタイプ
BALL:ブリヂストンTOUR B X