47Rぶりのボギーなし フェーダー・横峯さくらが2日前に習得したドローで「最悪」な日々から脱出へ

<北海道meijiカップ 初日◇8日◇札幌国際カントリークラブ 島松コース(北海道)◇6642ヤード・パー72>

雷雨接近の影響で競技が順延になった第1ラウンドで、ツアー通算23勝を誇る横峯さくらが、昨年の「伊藤園レディス」初日以来となるボギーフリーのプレー。3バーディを奪う「69」で回り、初日を3アンダー・暫定3位タイで終えた。
この日、ピンチは「1.5メートルくらいのパーパットが2回あった」程度。その場面もしっかり沈め、スコアを落とすことなくホールアウトした。「ひさしぶりで、うれしいです」と、満足のいくプレーに足取りも軽い。

今季はQT28位の資格でシーズンに臨んだが、第1回リランキングで48位まで優先出場順位を落とした。開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」は42位で終えたが、そこからは苦戦の日々。今季はこれが19試合目だが、14回の予選落ちがそれを物語る。

ここまでのシーズンを振り返ると、一言で「最悪ですね」。中盤戦に入り、気持ちを切り替えたいところで迎えた先週のオープンウィークは、キャディも務める夫・陽太郎さんとじっくり話し合い、大きな変化を取り入れることになった。

「1週間お休みがあって、そこで夫と話して、(いままで)“私が7で、夫が3”みたいなバランスで(決定権を持つことを)やっていたんですけど、それをもう夫が10、(横峯が)0に変えました。夫が権限を持つみたいな感じにしました」

クラブ選びは最終的に二人で相談しながら決めるものの、試合前のセッティングやスイングの判断、コース内でのマネジメントやラインなど、陽太郎さんが主導権を握ることに。「私には権限がない」と、自らの意思を手放し、客観的な視点を信じる体制にシフトした。特に「ずっと悩んでいた」スイングでは、「理解度が深まったので、躊躇(ちゅうちょ)しながら打たないし、しっかり振り切っていける」と変化を実感し、好発進につながった要因のひとつに挙げた。

また、プレースタイルも一新。横峯といえばフェードボールが代名詞だが、この日はドローを打つ姿も目立った。もともと「しっかり上位で戦うにはドローも必要」という考えもあったが、スイングに悩んでいたため習得に踏み切れずにいた。そんな中、今週の火曜日に転機が。使用する地クラブメーカー『マスダゴルフ』の代表である増田雄二氏の長男・隆一郎さんが語っていたドローの打ち方を、陽太郎さんがかみ砕いて伝えたところ、感覚派の横峯にスッと入った。さらにボールの位置を以前よりも中央寄りに置いて「おととい(火曜日)にドローの打ち方がわかって、打てるようになった」と明かした。

本格的に習得したのは、わずか2日前ということになる。持ち球の変更はしていないものの、弾道の選択肢が増えたことでスコアメイクにも幅が出るようになった。最終18番では、向かい風の中、140ヤードの2打目が残り、7番と8番アイアンで迷った末に「8番でドローなら前に行ってくれる」と判断して短いクラブを選択。「あまり(ドローが)かからなかったけど、ストレートなら大きなトラブルにはならない」とリスクを抑えた一打となった。

実際にプレーでも結果が表れ、「私がずっとチームを引っ張るようにしてきて、これだけ成績が出ていないということは、チーム自体の1番上が悪い。それを夫に変えて、もし成績が悪かったら夫が責任を取る。それぐらい10、0でやる」と二人で決めた決意を示した。2022年大会では、最終日に「66」をマークして2位フィニッシュ。「2位になれているんだから、(相性は)悪くはないかな」と今大会にはいいイメージも持っている。

「明日もしっかりアンダーパーで回りたいですし、“10:0”で絶対やるということを徹底的にやっていきたい」。生まれ変わった“夫婦タッグ”で、2014年「大王製紙エリエールレディス」以来のツアー24勝目に向けて、2日目もさらに大きな一歩を踏み出したい。(文・高木彩音)

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