
<北海道meijiカップ 初日◇8日◇札幌国際カントリークラブ 島松コース(北海道)◇6642ヤード・パー72>
先週の海外女子メジャー「AIG女子オープン」で米ツアー初優勝を遂げた山下美夢有の“凱旋試合”の初日は、雷雲接近のため競技が中止となった。1番からスタートした山下は、12番のボギーで足止め。1アンダー・暫定21位タイで、あす午前7時に13番からプレーを再開する予定だ。
出だしの1番では、フェアウェイをとらえるティショットに、ギャラリーから「ナイスショット!」の声と拍手が送られ、華やかにティオフ。2打目はグリーン右のラフへ外れ、3メートルと寄せきれなかったものの、パットを沈めてパーセーブ。2番でボギーを喫したが、続く3番では3.5メートルのバーディパットを決め、バウンスバックで粘りを見せた。
6番では、「イメージ通りのショット」という125ヤードの2打目を8番アイアンでピン手前1メートルにキャリー。カップに入りかけるスーパーショットでギャラリーを沸かせ、50センチのパットを難なく沈めてバーディ。さらに7番でも、3メートルの下りフックラインを読み切って連続バーディとし、スコアを伸ばした。
後半は12番でボギーとして、そのまま競技が中断。この日はボギー締めとなったが、「ゴルフの内容自体は、そんなに悪くないと思います」と冷静に振り返った。
今大会は初出場で、コースを回るのも初めて。火曜日に帰国し、水曜夜に北海道入り。プロアマ戦の18ホールが唯一のラウンドで、“ほぼ”ぶっつけ本番で臨んだ初日だった。「グリーンがどれだけ転がるか、ラフからどれだけ行くというのがあまり調整できていない。タテ距離があまり合っていないので、そういう難しさもある。明日はしっかりタテ距離を合わせられるように頑張りたい」と試行錯誤しながらのところもあり、苦戦する場面もあったが、前向きな気持ちであすに向けた。
18ホールを回り切れなかったが、昨年の最終戦「JLPGAツアー選手権リコーカップ」以来となる国内ツアーの空気を感じ、「初日からたくさんの方が応援に来てくださって、とてもうれしかったです。『おめでとう』と声をかけてもらえて、普段とはまた違う雰囲気がすごくよかった」と、ギャラリーの温かさに感謝を表した。
今週は、昨年の「アクサレディスゴルフトーナメント」(悪天候で最終日中止)以来となる妹・蘭さんとの姉妹タッグで挑戦中。大会前には「これまで2回やってもらったけど、私が体調を崩したり、天候で中止になったりで、最後まで一緒に戦えたことがなかった。今回は“3度目の正直”という気持ちで、一緒に頑張りたい」と意気込みを見せていた。
プレー中は笑顔で会話を交わすなど、リラックスしたムードでのラウンド。「気楽にできていて、いいなと思います」と話すように、姉妹ならではの自然な“テンポ感”で、長丁場が予定される明日も上位浮上を狙っていく。(文・高木彩音)