3年ぶり涙の優勝を果たした高橋彩華 ツアー屈指のショット力の秘密はトップにあり【優勝者のスイング】

「宮里藍 サントリーレディス」で、高橋彩華がツアー通算2勝目を飾った。外せばプレーオフという最終18番のパーパットを沈めると、右手を挙げてガッツポーツ。同時に涙が溢れ、3年ぶりの勝利を噛み締めた。そんな高橋を“ツアー屈指のショットーメーカー”と評価するプロコーチの南秀樹がスイング分析。

オンプレーンでレベルブロー。クラブを上げて下ろすだけのシンプルなスイングです。余計な動きがないので、クラブはプレーンを外れない。切り返しからダウンスイング、インパクト付近まで右ヒジの角度が変わらず、右肩が下がることもないので、綺麗にレベルに振っています。パーオン率は現在(6月16日時点)2位で、ボールストライキングも4位と、ツアー屈指のショットメーカーだと思います。
 
上げて下ろすだけというシンプルなスイングで大切になるのがトップです。左肩が浮かず、頭の位置も変わらない、シャフトも真っすぐな教科書通りの形。体の柔らかい女子プロは、バックスイングで体を捻り上げて、左に傾きやすいのですが、高橋選手は右ヒザを伸ばしながら上手く腰を回転させて、バランスのいいトップになっています。上半身と下半身の時間差を作りつつ、無理な体のねじれがないので、再現性が高くなるわけです。
 
この教科書通りのトップなら球が曲がりそうなイメージは湧きませんよね。よく言われることですが、ショットに悩むアマチュアの多くは、手先でクラブを上げています。実はこの原因は腰が回っていないことにあるのです。体を使って始動できても、腰が止まっていると途中で肩の回転が詰まってしまい、結局手先で上げることになる。
 
高橋選手のような手先が何もしない教科書通りのトップを作るなら、メディシンボールなど、重さのあるものを持っての素振りがオススメです。始動は肩と腕とボールを同時に動かしていきます。そして、体が動き出したら、すぐに右股関節を後ろに動かすように腰を回します。腰を回しトップにいくまでに、右ヒザを伸ばすとよりスムーズになるはずです。ただし、体重が外側に逃げてしまうとスエーになるので、右足の内側で体重を受け止めること。右に乗ることは左に乗る準備動作。良いトップができれば、ショット力は格段に上がります。
■高橋彩華
たかはし・さやか/1998年生まれ、新潟県出身。18年にプロテストに合格し、19年に初シードを獲得。20-21シーズンは50試合中21試合でトップ10に入る活躍で1億円以上を稼いだ。22年に「フジサンケイレディス」で初優勝。25年「宮里藍 サントリーレディス」で3年ぶりの勝利を挙げた。

■解説:南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。

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