PO惜敗の堀川未来夢が見せたV争いの矜持 「最終組から優勝者を出す」

<BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 最終日◇8日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(茨城県)◇予選=7397ヤード・パー70、決勝=7430ヤード・パー71>

2019年覇者・堀川未来夢は最終ホールで蝉川泰果に並ばれ、プレーオフに突入した。だが、1ホール目で蝉川がバーディを奪って惜敗。大会2勝目には届かなかった。
激戦を終えると清々しい表情を浮かべた。「蝉川選手、うまかったですね。途中で勝負の流れがこっちに傾いたような感じがあっても、彼は攻めの手を緩めず最後まで戦えたから、優勝ができたんじゃないかな。1打ではありますが、2枚も3枚も上手でした」と、勝者を讃えた。

首位から出た最終日。スタートホールには『みくむー!がんばれー!』と声を揃えるファンが大集結した。ティショットを放ち、2打目へ向かうときも“みくむコール”は続いた。それに後押しされて連続バーディ発進。前半で3つ伸ばして、首位で折り返した。

15番でバーディを奪うと単独首位に浮上。16、17番と難しい状況のなかでパーセーブを決めて、1打リードして最終18番に入った。2打目地点からグリーンまで続く大勢のギャラリーが見守るなか、左のファーストカットからの2打目はグリーン奥へ。ドロップエリアから乗せてパーセーブしたが、蝉川がバーディを奪って並ばれた。

プレーオフでは堀川が先にバーディパットを打ったが入らず、蝉川が3メートルのパットを沈めてバーディ。蝉川の勝利が決まると、二人は笑顔で握手を交わし、互いに称えた。

し烈な優勝争いとなった“19ホール”。堀川は笑顔を絶やさず、同組の蝉川と米澤蓮がスコアを伸ばすと、必ずグータッチをした。それにはある意識があった。「自分がいいプレーできるのは、やはり組の流れがある。終盤は敵となる相手ですけど、脱落しないように。最終組の中から優勝者を出すぞって」。最終日最終組は優勝の期待が最もかかる組。そんな期待に応えるために、最後までその姿勢を崩さなかった。

「楽しかったですね。けっこうあっという間。優勝したらあっという間とは言っていないと思うけれど」と、今季初の最終日最終組を振り返り、自身の成長を実感する。「緊張する場面でプレーできるのは、すごく幸せなこと。その中でイメージしたパッティングのタッチ、ドライバーショットを打てるのは、成長のひとつ。自分の実力を感じながらプレーできていたし、反省点が見つかるようなラウンドでした」と、今後に向けて手応えを得た一日となった。

取材対応を終えると、堀川のプレーに帯同していた大勢のファンが待ち構えていた。優勝争いに敗れ、悔しい気持ちを抱えているはずだが、そんな表情は見せずに「来てくれてありがとうございました」など感謝の気持ちを伝えながらサイン、記念撮影を行っていた。

ファンを大事にする気持ち、自身のプレーでファンを楽しませようとする気持ちがあふれる姿に、日本男子ゴルフ界を盛り上げようとする強い気持ちを感じた。そして、どのような状況でも笑顔を絶やさず、ライバルをリスペクトし、仲間を称える。その姿はまさにアスリートの鏡だった。(文・高木彩音)

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