まさかの想定外も… “堀川未来夢論”はメジャー向き? 「ゴルフは確率のゲーム」

<BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 初日◇5日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(茨城県)◇予選=7397ヤード・パー70、決勝=7430ヤード・パー71>

ボギーなしの3バーディ「67」で回り、好発進を決めた2019年大会覇者の堀川未来夢。しかし、その裏では“まさか”の出来事が起きていた。
今大会では、2番ホールのパー設定が予選と決勝で異なるコースセッティングが採用されている。予選は486ヤードのパー4、決勝は519ヤードのパー5という分け方だが、堀川はその変更に気づいていなかった。

「2番ホールがパー4になることを知らなくて、ティグランド後ろまで行ったらティマークがないからどうしたんだろうなと…。ツーオンを狙おうかなと思っていたら、パー4で『まじか…』と」

火曜日は指定練習日だったが、強い雨により練習ラウンドができず。「水曜日のプロアマだけだったんですけど、そのときは後ろのティ(パー5)だったので」と、変幻自在のホールであることに気づかないまま本番を迎えた。

そんな“急に迎えた2番”では、「正直、ターゲットもわからなかった。どこまでがフェアウェイか、着弾地点が50ヤードも違うのでわからなくて」と戸惑いながらも、パー5のメモを参考に。「右はOBが近づくだろうなと思って、左目に打った」。冷静に対処し3オン1パットでパーセーブし、大きなトラブルにはならなかった。

この設定変更には複雑な心境をのぞかせる。「ついに宍戸ヒルズの1~6番までも苦しくなってきたなと…。いままでは1~6番で少しスコアを作って、7、8番で耐えるという流れだった。でも2番がしんどくなって、3番はティが後ろになって200ヤード(パー3、212ヤード)あるし、いよいよ苦しくなってきましたね」と苦笑いを浮かべるしかない。

実際、この日の2番ホールの平均スコアは「4.489」。ほぼ半数の選手がボギーを叩いた計算になる。堀川は「2番ホールがパー4になったことによってパーが1打少なくなったというか、実質3アンダーですけど、4アンダーぐらいの感覚ではある。ボギーが先行してしまうと…。1つ、2つ貯金があって臨む7、8、9番と、借金の状態で臨む7、8、9番は、全然違う。2番ホールが変ったことで、精神的には余裕はなくなりましたね」と語り、メンタル面でも影響を受けたことを明かした。

それでも、「パー4でもパー5でも、やることは変わらない。最善を尽くすだけ」と前を向く。実際、堀川のプレースタイルは“守りのゴルフ”が持ち味。今季初戦の国内メジャー「日本プロ」でも最終日を優勝圏内で迎えるなど、メジャーに強い安定感を誇る。

「僕はあまり攻めるのが得意じゃない。守っていれば自然とチャンスが来る。きょうは3つぐらい入っているのがあっただけで、とにかくパーセーブを意識して、クラブ選択は意識しています」

堀川が考えるゴルフは「確率のゲーム」だ。「4日間の288ストロークをどう組み立てるか。100回やったときに、一番いい結果が出る選択をするように意識している。大叩きはしないゴルフをやっているつもりです」と、自身の“ゴルフ論”を語る。

狭いフェアウェイ、深いラフ、アンジュレーションの効いたグリーンといったメジャー仕様のコースでは、耐えるゴルフが求められる。「自然とパーを取っていれば順位が上がるというのは相性がいいですかね」とも語る。警戒ホールもあるが、2日目以降も自身のゴルフスタイルを貫き、好位置をキープしたい。(文・高木彩音)

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