え!? 東京メトロ直通の通勤路線で「超レトロな“硬券”きっぷ」なぜ常時販売? 突如として売り出した“あの日”

千葉の東葉高速鉄道が、昔懐かしい硬券の入場券を販売しています。交通系ICカード、自動改札機、東京都心への直通電車がそろった都会的な鉄道ですが、窓口では硬券を日常的に取り扱っているのです。どのような経緯があったのでしょうか。

現代的な路線で見られるノスタルジー

 千葉県の西船橋~東葉勝田台間16.2kmを結ぶ東葉高速鉄道は、券売機で買える磁気券(軟券)はもちろん、PASMOやSuicaといった交通系ICカードでも乗車できます。ところが、入場券は別です。西船橋を除く各駅の入場券は、厚紙でできた昔懐かしい硬券で販売されているのです。

 東葉高速鉄道の入場券は、最初から硬券だったわけではありません。2014(平成26)年4月1日、消費税が5%から8%に上がった日に、それまでの軟券から硬券へ変わったのです。この変化にきっぷ収集家の間ではザワつきが起こりました。そして、それから11年が経過した令和の今も、東葉高速鉄道の各駅では硬券入場券の販売が続いています。

 千葉県では、流鉄流山線をはじめ硬券を扱う鉄道会社がいくつかありますが、東葉高速鉄道は交通系ICカードが主流、そして東京メトロ東西線との直通運転を行い都心まで手軽にアクセスできるにもかかわらず、硬券を日常的に入手可能であるという点がギャップを際立たせています。

 懐かしい手触りの硬券入場券を手に取ったとき、思わず全駅のセットなど販売されていないか聞いてしまいました。そういった商品はないとのことでしたが、「子ども用は色が違いますよ」と教えていただき、記念に購入。確かに大人用は地色が肌色であるのに対して、子ども用は黄緑色です。こうしたデザインの違いも集めたくなる心をくすぐります。

「開業27周年」の硬券入場券…なぜ「27」?

 この硬券入場券をコレクションするために各駅を訪れるファンも多いとのこと。駅の数は西船橋を除くと8駅、全駅分購入へのハードルはそれほど高くなさそう……これは再訪の予感です。

 ちなみに、最近では2023年4月27日に開業27周年を記念した硬券入場券を販売。なぜ27周年かといえば、開業日が「27日」であることに掛け合わせたそうで、発想がユニークです。

 2024年10月30日には、船橋日大前駅の東口開設20周年を記念した硬券入場券を発売しています。東葉高速鉄道は来年2026年4月に開業30周年を迎えることから、記念入場券の販売に期待したいところです。

 そして東海神~飯山満間に開業予定の海老川新駅(仮称)は、先日整備に着手したことが報道されたばかり。開業予定は2029年3月末としばらく先ですが、令和の新たな硬券の誕生が今から楽しみです。

 なお、東葉高速鉄道の硬券入場券は券売機では発売しておらず、改札の窓口のみでの販売です。支払い方法も現金のみなので、購入する場合は現金の用意をお忘れなく。

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