スズキの軽トラ「キャリイ」がまさかのEV化! ターゲットはズバリ“農家” 背景にある“死活問題”とは?

横浜市のパシフィコ横浜で2025年5月21日から開幕した「人とくるまのテクノロジー展 2025」で、スズキがキャリイのEV化車両を初公開しました。

農家へ貸し出し実証実験を実施へ

 横浜市のパシフィコ横浜で2025年5月21日から開幕した「人とくるまのテクノロジー展 2025」で、スズキがキャリイのEV化車両を初公開しました。

 この車両は、60年以上の歴史を持つ軽トラック「キャリイ」のエンジンを取り外し、モーターと電池を搭載してEV化したものです。スズキは2025年度中に、農家のユーザー向けにこのEV車両を貸し出す実証実験を行う予定です。

 街乗り向けの軽バンなどはEVも徐々に増えたものの、農道を走ることが多い軽トラのEV化は進んでいるとは言えない状況です。スズキが軽トラのEV化に着目した背景のひとつには、地方のインフラ問題があるとのこと。

「近場にガソリンスタンドがないという農家さんが、実はここ最近多くなっています。そのような環境では、家で充電できるEVの方が扱いやすい場合もあります」と担当者は話します。また、EVは低速走行に優れており、さらに農道特有のぬかるんだ泥道の走行にも利点があるそうです。

 さらに、農業で使う軽トラはほかのクルマに比べ走行距離も短く済むため、車載電池の軽量化も容易で、車体重量の増加も抑えられるのだとか。

 実証実験では、ユーザーの家にソーラーパネルなどでEVへの充電や家庭への電力供給を行うV2H機器を設置。EVキャリイの運用のほか、同車を蓄電池とした電源としての検証も行います。

 ちなみに、運転する感覚はエンジン車とほぼ変わらないとのこと。ここはスズキのこだわりとして、EVで違和感があるような車両にはしたくなかったとのことでした。

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