
<全米プロゴルフ選手権 事前情報◇14日◇クエイル・ホローC(米国)◇7626ヤード・パー71>
今季メジャー第2戦、「全米プロゴルフ選手権」の開幕を翌日に控えた14日、ローリー・マキロイ(北アイルランド)の表情は終始穏やかだった。
「このクエイル・ホロークラブに戻って来られて本当にうれしい。それにはたくさん理由がある」と同コースでの思い出を振り返った。「15年前、このコースで米国男子ツアー初勝利を挙げたんだ。そして去年もここで勝った。あの勝利、特に週末のラウンドは去年の一番良いプレーだった」と笑みを浮かべた。
マキロイは同コースで開催されたPGAツアーの「ウェルズ・ファーゴ選手権」(現トゥルーイスト選手権)で2010年、15年、21年、24年と4度勝利。さらに、「今年は素晴らしい年を送っている。それにまだまだ試合が残っているから、これからの戦いにエキサイトしている。今週は本当に楽しみだ」と声を弾ませた。
4月の「マスターズ」優勝は14年「全英オープン」以来、11年ぶりのメジャー制覇。それ以来毎年「キャリア・グランドスラム」の達成と戦ってきたがついに達成し、大きなプレッシャーから解放された。「自分が掲げてきた目標をすべて達成した。子供の頃から世界で一番のプレイヤーになりたいと夢見てきた。すべてのメジャーで勝ちたいと願ってきた。そのぜんぶを達成したんだ。だから、ここからゴルフで起きることはぼくにとっては『ボーナス』だ」と5月に36歳になったマキロイは満足そうに話した。
「マスターズ」勝利後は北アイルランドに住む両親の元へ報告に帰った。そして、この日は父・ゲリーさんが練習ラウンドに帯同していた。スクラッチプレイヤーでもあるゲリーさんの勧めでクラブを握ったマキロイ。その息子を目を細めながらみつめる姿があった。
最終調整には同郷のトム・マキビン、ラスムス・ホイガード(デンマーク)とともに中島啓太も加わった。多くのファンに囲まれての練習ラウンドもリラックスし、中島と談笑するシーンもあった。「ロープ内に入ればまた新たな目標に向かっていける。ただ今はゴルフ人生のハイライトをエンジョイしたい」。マキロイはキャリアグランドスラム達成者として喜びを噛みしめながら静かにメジャー連覇を目指す。