旅客機の「外装を覆う板」って”100円玉と同じぐらい”の厚さってマジ? 上空で数tの圧力を受けてるのに大丈夫なのでしょうか…?

現代のジェット旅客機は1平方メートルあたり5トンから6トンの圧力を外板に受けます。しかしそれを支える外板の厚みは、100円玉と同じぐらいの厚さしかないのだとか。なぜそれでも大丈夫なのでしょうか。

厚さ「1.5mmから2mm」

 現代のジェット旅客機が飛ぶ高度1万mの気圧は、地上の4分の1といわれています。そのなかで、客室内を地上とほぼ同じような環境に保つため、機内の気圧は高められています。この機内と機外で生じる気圧のギャップによって胴体にかかる力は、1平方メートルあたり5トンから6トンにもなるのだとか。しかし、現代のジェット旅客機における外の板(スキン)の厚さは、機種や部位で差があるものの、100円硬貨(厚さ1.7mm)程度のおよそ1.5mmから2mmの厚みであることが一般的です。なぜ高圧力を日常的に繰り返し与えられても、旅客機は耐えられるのでしょうか。

 そのような薄さでも高圧に耐えられるのは、胴体の構造が関係しています。スキンだけに負荷がかかることがないように工夫されているのです。

 現代の旅客機は、胴体部分が「セミモノコック」という構造になっているのが一般的です。これは、飛行機の胴体におけるスキンの内側、つまり客室側に沿って、格子状に補強用のパーツを張り巡らせることで負荷を分散させるというものです。

 胴体の最外殻は機首側から尾翼側にかけて前後方向に取り付けられている「ストリンガ(縦通材)」と、これと垂直に胴体断面に沿って取り付けられている「フレーム(円框)」という柱が設置されセミモノコック構造となっており、その上に被せるようにスキンを貼ることで、胴体を軽くしながら高度1万mでもびくともしない胴体が作られているのです。

 なお、多くの旅客機においてスキンで使われている素材は、アルミニウム合金と呼ばれる金属ですが、ボーイング787や、エアバスA350など一部の最新鋭機では、アルミニウム合金より軽くて強いといわれている炭素繊維複合素材(カーボン素材。CFRPとも)が使われています。

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