「欲の塊」にブレーキ ルーキー・都玲華を導くベテランキャディの手腕 

<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 初日◇8日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6665ヤード・パー72>

今大会初出場のルーキー・都玲華は、ベテランキャディ・清水重憲氏(以下、清水キャディ)とタッグを組み、5バーディ・1トリプルボギーの「70」をマーク。2アンダー・12位タイで2日目を迎える。
清水キャディは、イ・ボミ(韓国)や上田桃子らとともに数々の勝利を収めてきた、まさに“優勝請負人”。今年1月の食事会で会い、初タッグ結成が決定。そして迎えた今週は多くの「学び」を得ているという。

これまで「キャリーの距離を全然把握してなかった」という都だが、清水キャディの提案で1本ずつ距離を確認した。アイアンの飛距離が昨年より落ちていることは気づいていたが、「プライドもあって(距離が落ちたことを)認めずに、以前の距離で計算していたし、飛ばないとわかっているから振りにいって“大ミス”してボギーが多かった。それがきょうはなかったので、よかったです」と、現状の飛距離を正確に把握したことで“無理に振るスイング”が減り、ショットの安定につながった。

さらに、コースマネジメントの面でも新たな気づきがあったという。「このシチュエーションは『自分なら…』って考えながら、のりさんは『こっちのほうが確率いいんじゃない』とアドバイスをくれて、それでやってみたらイメージも出やすくて大きなミスにならない。すごく自分のマネジメントがまだまだだと勉強させてもらいました」。学びの多い、濃密な一週間となりそうだ。

この日は、“ピンチ”もあった。前半の1番で幸先よくバーディを奪ったが、2番パー3ではトリプルボギーを叩いた。ティショットがグリーン奥にこぼれ、アプローチは「自分のミスで1回戻って来て」とグリーンに届かず。ほぼ同じ位置からの2度目のアプローチでは、ショートを嫌って「バーンと打ったら下まで行って」と、グリーンからこぼれ落ち、「寄らず入らずの“トリ”」となった。

「ダボとかボギーではなくて、トリまでいったから、逆に何も思わない。吹っ切れた。清水さんが『まだまだ2番だし、次はパー取ろう。頑張って』と声をかけてくれた。次も(2.5mを沈めて)ガッツパーだったけど、なんとかパーが取れましたし、これが入ってくれたから、だいぶ流れに乗れて戻ってこられた」

清水キャディの“励まし”もあり、悪い流れを断ち切り、3番からはボギーなしの4バーディを奪取してホールアウト。メジャー初出場ながら二人三脚で好スタートを切った。「トリを打った時、メジャーだめかなと思ったけど、のりさん(清水キャディ)のおかげで止まれた。メジャーだから、“欲の塊”なので欲を抑えながらゴルフするのがいかに大事かを学びながらやっている」

メジャーV経験もある清水キャディの言葉の力は大きい。メジャーだからこそ湧き上がるさまざまな“欲”を抑えながら、残り3日間も冷静に戦っていきたい。(文・高木彩音)

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