なぜ池に飛び込む? 西郷真央が引き継いだメジャー伝統の“儀式”

<シェブロン選手権 最終日◇27日◇ザ・クラブatカールトン・ウッズ(米テキサス州)◇6911ヤード・パー72>

今季の海外女子メジャー初戦を制したのは、米ツアー2年目の23歳・西郷真央だった。5人プレーオフを制して、歓喜のツアー初V。優勝決定の瞬間はもちろんだが、今大会最大の名シーンはやはり、最後の“池ダイブ”だろう。マネジャーやWOWOWのラウンドレポーターを務めた片平光紀さんらと、18番グリーン脇の池に飛び込んだ。
優勝者のみに許される特権だが、テレビで観戦していた人は『そもそもなんで池に飛ぶこむのか』と疑問に思ったかもしれない。今大会の特色であるこの“セレモニー”はいつから始まったのか。その歴史を紐解く。

2022年大会までの会場はミッションヒルズCCであり、優勝者が飛び込む池は“ポピーズ・ボンド”の愛称で親しまれていた。メジャー大会昇格後6回目、1988年大会で2度目の優勝を果たしたエイミー・アルコット(米国)が飛び込んだのが起源とされる。

その後、94年に大会ホステスだったダイナ・ショアが死去。同大会の優勝者だったドナ・アンドリュース(米国)がショアの死を偲んでジャンプして以来、毎年の恒例行事となった。

ポピーズ・ボンドは水質管理を徹底し、プールのような澄んだ水が広がっていた。しかし、2023年から舞台がザ・クラブ at カールトン・ウッズに移り、そこにあるのは常設された“普通の池”だった。ジャンプ台こそ設置されているが、水質への懸念、ヘビなど野生動物の存在もあり、特に初出場の選手たちは一様に苦笑いを浮かべるのが通例だ。

『どうぞご自由に』という空気の中、2023年に優勝したリリア・ヴ(米国)は「アドレナリンが出まくって、飛び込んじゃった」とためらうことなく“新ポピーズ・ボンド”にダイブ。昨年大会を制したネリー・コルダ(米国)も見事な飛び込みを披露し、コースが変更されても伝統は引き継がれた。

そして今年、西郷が日本勢で初めて“儀式”を敢行。女子ゴルフ界、そしてポピーズ・ボンドの歴史に『Mao Saigo』の名を刻んだ。

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