
27日、都内で『NS23 par Nissa Golf』とアパレル契約を結ぶ林菜乃子がトークショーなどのイベントを行った。そこには鹿児島県や愛知県から訪れるファンの姿もあり、林との交流を楽しんでいた。同ブランドは南フランス・ニースのリゾート感と、日本の職人技が融合したラグジュアリーなゴルフウェアブランドとなっている。
「遠いところから来てくれて、本当にありがたいです。いつも(試合の)応援にも来てくれて、毎週来てくれる方もいたし、ずっと長く応援してくれているんです。本当に幸せです」とほほえんだ。
イベント終盤では同ブランドの店舗で一日店長も行い、ファンに似合うウェアを上下でコーディネート。「私は色の組み合わせにこだわりがあって、着回しも上手くできるように、『こういう系統の色を合わせたほうがいいですよ』とか、『こういうものだと映えますよ』とか、そういうアドバイスをさせてもらいました」。ウェアを提案されたファンは“お買い上げ”。試合会場では見られない、おもてなしの心で店長としての仕事を勤め上げた。
林は一人の女性として、ファッションにも夢中になっている。「いつか私がプロデュースするブランドを作りたい」という夢も持っている。私服はもちろん、試合で着るゴルフウェアでのコーディネートも楽しんでいるが、人生で多くの時間をゴルフ場で過ごしてきたからこそ、感じることがあった。
「ゴルフって一番(ファッションで)気分が上がると思う。私は仕事でゴルフ場に行くけど、ほとんどの人がお休みの日に行って、特別な楽しみの一つになっていると思うんです。おしゃれをしてゴルフを楽しむことって、ディズニーランドに行くような感覚と似ていると思う」。“夢の国”を好きなスタイルで、いかに自分らしく過ごすか。ゴルフ場は自然があふれ、プレーやファッションに夢中になれる“楽園”そのものだ。
プロとして常に結果を求められるが、「ウェアを選ぶことで気分が上がる」と、ファッションのおかげで気持ちにゆとりを持てている。「それに、ゴルフ場じゃないと着られない服がいっぱいある。だからみんなに楽しんでほしいですし、なかなか挑戦できない色も『試してみようかな』って思ってもらえるような服が、ニッサゴルフにはいっぱいあります」。
林は「ゴルフキャリアの中で絶対に行きたかった夢の舞台」に今季初挑戦する。それは5月29日から米ウィスコンシン州エリン・ヒルズGCで行われる「全米女子オープン」だ。22日に日本で行われた予選会を突破し、本戦への切符をつかんだ。
米国女子ツアーに出場している選手は「けっこうみんなシック」と、比較的にシンプルなウェアを着用しているイメージを持っているという。「私は私を貫きたい。派手な服も着るし、髪の毛も巻く。私らしく戦うことが大切だと思っています」とニッコリ。念願の舞台でも個性を光らせて戦っていく。
夢の舞台に立つことに胸を躍らせる一方で、「アメリカに行く準備を進めていて、改めて海外でやっている子がすごいなと思いました。みんなが思っている以上に準備が大変。動くお金もすごく大きいし、みんな覚悟を持って戦っているんだなって、さらに尊敬しました」とその大変さを痛感していた。
全米女子オープンには、米ツアーを主戦場に戦うプロ同期生の渋野日向子らも出場予定。「シブコ(渋野日向子)たちからアメリカの話も聞いたりするけど、楽しいだけで行ける場所じゃないから。みんなすごい覚悟を持って戦っているんだなって。尊敬の気持ちを持ちながら今準備しています。そういうフィールドで一緒に戦えると思うとすごく楽しみ」と話した。
初のフルシード権獲得を目標に戦っている中で、勝ち取った海外メジャーの切符。「行くだけで終わるのはダメ。結果が全ての世界だから、そこはすごく大事だと思っています。そのためにクラブも見直していますし、できる限りの準備を残された時間でやっていきます」。ただの“思い出”ではなく、結果にもしっかりこだわっていく。
「応援してくれる人たちのためにも頑張りたい。ゴルフもウェアも、私らしい姿を見てほしい」。世界最高峰の舞台でひときわ目立つ、カラフルな“Nanoko Hayashi”の姿が楽しみだ。(文・高木彩音)