
連休や長期休みの際、ペットと一緒に旅行したいと考えたりするでしょう。その際、鉄道などの公共交通機関にそのまま載せても大丈夫なのでしょうか。じつは規則で禁止されている場合があります。
動物に乗車券は必要でしょうか?
暖かな春を迎え、気持ちの良い季節となりました。4月から5月にかけての大型連休の時期は、旅行や行楽地に出かける方も多いのではないでしょうか。なかには「愛猫(愛犬)を連れて遠出しよう!」と考えている方もいるでしょう。
出かける際に、もし愛猫(愛犬)を連れて新幹線など鉄道を利用することになったら、どんなことに注意すべきでしょうか。
そもそも猫や犬は、荷物と同じ「手回り品」の扱いなので、どんなに家族の一員だとしても猫や犬が入ったキャリーケースを置くためだけに1席分の乗車券は購入できません。
ただ、乗車券こそ不要ですが、JR線の場合は1個につき290円の手回り品料金がかかります。乗車する駅の改札で、駅員にキャリーケースを見せれば「手回り品きっぷ」を購入できます。なお、キャリーケースにはサイズの制限があり、縦・横・高さの3辺の合計が120cm以内、重さはトータル10kgまでに収まる必要があります。
また、JR以外の私鉄も独自に金額やサイズなどの条件を定めていることがあるので、事前に確認が必要です。
このように、愛猫(愛犬)のための席を確保できないことはわかりましたが、ではどこに置けばよいのでしょうか。おススメはご自身の膝の上です。
常に様子を確認するため、そして万が一、急ブレーキが掛けられた場合にその対策のため、キャリーケースは自分の膝の上が一番安全です。ただ、長時間載せ続けるのは、やはりしんどいので、疲れたら短時間だけ足元に置くと良いでしょう。
ちなみにキャリーケースは、全ての扉がしっかり閉まっていること確認してください。また、万一の際の破損を考え、全扉を粘着テープで固定します。さらに猫は洗濯ネットに入れてからキャリーケースに入ってもらうと、人間も猫もお互いに安全です。
また、まわりにいる他の乗客へ配慮することも必要です。キャリーケースには消臭効果の高いペットシートを敷いておきましょう。念のため、愛猫(愛犬)のトイレは事前に済ませておくと安心です。また、万が一排泄物の臭いが強い場合や鳴き声の対策として、キャリーケースを覆うことができる大きめのタオルなども用意しておくと良いかもしれません。
キャリーケースの注意点
では、電車に乗せるキャリーケースはどんなタイプが良いでしょうか。
筆者(深川にゃんみつ:猫の魅力発信者)はプラスチック製のハードタイプが良いと考えます。しっかりしていて自立しますし、万が一粗相をしても拭き取りやすく、においが残りにくいのもメリットです。
布製のキャリーバッグの場合、排泄物が染み込みやすいので、対策したうえで使用すると良いでしょう。
リュックタイプは柔らかい素材でできていることが多く、背負うと底面が斜めになりがちなのと、人間の歩く動きで揺さぶられ、場合によっては体調を崩すペットが出るほどです。同様にカートタイプも斜めになりがちで、やはり地面の振動を受けやすいです。
以前、実際に見かけたケースでは、ある女性が小走りで猫が入ったカートを引いていたところ、カートが石にぶつかり猫が入っている部分が斜めに傾き半回転していました。加えてガタガタの地面の振動を受けているにもかかわらず猫の様子を気にかけることもなく、まるで「荷物」のように扱っていて、見ているコチラが悲しくなったほどでした。
旅行で外に連れ出す際の注意点を記してきましたが、個人的には猫については季節を問わず旅行で連れ出すことは控えてほしいと考えています。なぜなら、家の中をテリトリーとして慣れてしまった飼い猫はあまり外に出たいと思っていないからです。むしろ外が怖いと思っている場合もあるでしょう。
猫はちょっとしたきっかけでパニック状態になります。その際、一瞬の隙を突いて外に飛び出す可能性もあり得るので、飼い主ならそのことをリスク対策として覚えておいて下さい。
長期で旅行する場合は、ペットホテルやペットシッターを利用した方が、むしろ安心して留守番をさせることも可能です。飼い主としても、その方があれこれペットのことを思いやることなく旅行を満喫できるはずです。
それでも、もしペットとともに旅行するのであれば、考えられるリスク対策を確認し実践してください。ネガティブ要素を極力なくせば、安全で楽しい旅行になるでしょう。