同門ルーキー2人を襲った“18番の悪夢” PO敗戦の中村心「緊張でよく分からなかった」

<富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 最終日◇13日◇石坂ゴルフ倶楽部(埼玉県)◇6585ヤード・パー72>

“同門”の2人のルーキーが、石坂の優勝争いを盛り上げ、そして悔しい結果にうつむいた。
「悔しいです」。安田祐香、河本結との三つ巴のプレーオフで1ホール目に敗退が決まったルーキーの中村心は、あと一歩のところで初優勝を逃し唇をかむ。

単独首位で迎えた正規の最終18番では、入れれば勝利が決まる2メートルのパーパットを外した。「思っていた以上に、緊張していて、よく分からなかったです。そんなに自分のなかでは緊張しているというのはなかったんですけど、してたんだと思います」。これまでには感じたことのないプレッシャーとの戦いだった。

2打差の3位からの逆転を目指した一日。「ショットもパットもすごく安定していた」と、12、13番で連続バーディを奪うなど優勝へ歩みを進めた。フェアウェイキープ率は3日間トータル47.6%(20/42)と上がらなかったが、セカンドショット以降、そして初日からしびれるパーパットを決めて粘ってきた。「楽しかったです。キャディさんがいてくれてすごく心強かったし、気持ちよくスイングできました」と、笑顔も見せながらのラウンドだった。

ECC学園高3年時の2023年に「日本ジュニア」、「日本女子オープン」ローアマと、アマチュアの日本タイトル2冠を達成。そして2度目の挑戦で、昨年のプロテストに合格した。QTランクは74位と、現在は下部ツアーが主戦場。勝利は逃したが、この後に控える第1回リランキングでは優位になる105ptを手にしたのはせめてもの救いだ。

「今はまだ切り替えることはできませんが、この悔しさを笑顔に変えられたらいいなと思います」。大会で設定されたベストルーキー賞で100万円も獲得。「美味しいご飯を食べます」と、この結果を今後の力にしていく。

そして同じくルーキーの入谷響も、最終18番のボギーでプレーオフ進出の権利を失った。「攻めるしかない」。優勝争いから抜け出すためアグレッシブなプレーに徹したが、「ほぼほぼストレートで読んでいたんですけど、正直どうして外れたのかよく分かってないです」と、こちらも最後のパットに泣いた。

首位で迎え、最終日最終組を経験。ただ、「パターのタッチが合わなかったり、ショットもフェースが滑ってしまう感じで、得意ではない」という雨のラウンドで思うようにスコアを伸ばすことができなかった。それでも、いい緊張感のなか、最後まで優勝争いに食らいついた。

ドライビングディスタンスは258.53ヤードで、現在ツアー1位。その豪快なショットを武器に、開幕から5戦連続で予選も通過している。4位に終わったが、これが2度目のトップ10入り。メルセデス・ランキングでも15位につけている。「100ヤード以下の距離が寄らないことと、グリーン周りのアプローチ、パターの精度を高めないと」。課題が浮き彫りになったというが、すぐにチャンスはやってきそうだ。

ともに05年生まれの同学年で、中嶋常幸が主宰する「トミーアカデミー」で腕を磨いてきた。日本ゴルフ界で一時代を築いたレジェンドの教えを胸に、再び初優勝を目指すことになる。

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