「軽い! 細い!」だけじゃない 新型白バイ「NT1100P」詳細が判明 “より使いやすく”を追及

2025年3月末に開催された「第52回東京モーターサイクルショー」には、ライダーへの啓蒙活動の一環として警視庁が全面協力。ステージイベントのほか、白バイの展示も行われていました。その中には注目の新型白バイの姿もありました。

「第52回東京モーターサイクルショー」に警視庁が全面協力

 2025年3月28日(金)~30日(日)にかけて、東京ビッグサイトで開催された「第52回東京モーターサイクルショー」には、東京都の治安を守る警視庁が全面協力し、屋外スペースにおいて様々な催し物が行われていました。

 また、ホールの一角には警視庁ブースが設けられ、そこでは各種白バイの展示も行われていました。なかでも来場者の注目を集めていたのが、新型のホンダ「NT1100P」です。全国の警察本部で順次運用が始まっており、警視庁仕様の同車がヤマハ「FJR1300P」やホンダ「ゴールドウイングGL1800サイドカー」などの従来車両とともに並んで公開されていました。

 NT1100Pは、2022年3月にホンダが発売した大型スポーツツアラーの「NT1100」をベースに、回転灯や無線機などの各種艤装を施した警察専用モデルになります。

 搭載エンジンの構造は排気量1082ccの水冷並列2気筒。4気筒エンジンを積む従来のCB1300Pと比べると、NT1100Pの車重は30kg軽量化されて270kgとなり(車両総重量は315kg)、車幅も1009mmから19mm少ない990mmとスリム化しています。一方で、全長はCB1300Pの2205mmに比べ、NT1100Pは2220mmとわずかながら長くなりました。

 メーターには、カーナビやタコメーターなどへのモード切り替えが可能な大型TFTフルカラー液晶を採用。ウインドスクリーン(風防)も上下に高さ調整が可能です。ほかにも、赤色灯やサイレンなどのスイッチ類の配置が見直され、隊員が扱いやすくなっています。

 燃料タンク容量は20リットル、変速機は6速リターン式のマニュアルミッションです。なお、日本で販売されているNT1100は変速機がオートマチックのDCT仕様ですが、海外販売モデルにマニュアルミッション搭載モデルが存在するため、白バイ仕様のNT1100Pはあえてマニュアルミッションで製造されています。

大排気量2気筒エンジンを搭載した初の交通取締用白バイに注目!

 NT1100Pは、ベース車が大型のフェアリングを備えたスポーツツアラーということで、優れた高速安定性、高い運動性、良好な積載性を兼ね備えています。加えて、CB1300Pと比べ軽量化と高効率エンジンの搭載により燃費が向上しており、航続距離は約50km伸びて400kmになるなど、白バイに求められる要件を高い次元でクリアしています。

 なお、ホンダはベースとなったNT1100の開発時に、白バイへの発展性を顧慮し、それに必要な性能を盛り込んで設計したというハナシが以前ありましたが、それはどうやら事実だったようです。

 これまで、交通取締用の白バイには長らく4気筒エンジン車がメインで用いられてきましたが、従来モデルのCB1300PやFJR1300Pは、年々厳しくなる排ガス規制をクリアできずに次々と生産終了が発表されています。新たに登場したNT1100Pは、1000cc以上の大排気量2気筒エンジンを積む初の白バイということで、長く続く交通機動隊の歴史の中でもエポックメイキングな存在となるはずです。

 ブースにいた警視庁の担当者によると、展示車のNT1100Pは2025年3月に先行配備されたうちの1台で、まだまだ保有数は少ないとのこと。しかし、今後は老朽化した車両と置き換えられて徐々に配備が進むことになると話していました。いずれは都内の街角でNT1100Pを見かける機会が増えることになると思います。

 また、警視庁だけでなく全国の警察で順次運用が始まっていることから、近い将来CB1300PやFJR1300Pに代わって、各種イベントやマラソン大会、駅伝大会などで頻繁に見かけるようになるでしょう。

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