菅原由勢「僕らは常にチャレンジャー」 W杯優勝が目標ならば「個々の質は上げていかなきゃ…」

 日本代表は25日、FIFAワールドカップ26アジア最終予選・グループC第8節でサウジアラビア代表と対戦し、0-0で引き分けた。同試合に右ウイングバックとして先発出場したDF菅原由勢(サウサンプトン/イングランド)は、守りを固めてくる相手をこじ開ける難しさを明かしつつ、そこを打ち破る上での“個の質”を要求している。

 前節のバーレーン代表戦を2-0で制したことで、最終予選の3試合を残して“史上最速”でワールドカップ出場権を勝ち獲った日本代表は、同試合からスターティングメンバー6名を入れ替えてサウジアラビア代表戦に臨んだ。最終予選に入ってから初めて先発のチャンスを得た菅原は「燃えたぎるものが練習からあった」と正直な思いも明かす。パフォーマンスを振り返って「各選手の特徴は出せたと思う」としつつも、「それをいかに結果につなげるか。その作業がまだまだ足りない」と反省の点を口にした。

 スコアレスドローという結果に終わったが、90分間を通してボールを握っていたのは日本代表の方だった。ただし、「5-4-1」のブロックを組み、組織的に戦ったサウジアラビア代表にボールを“持たされた”という見方もできる。ブロックに穴を開け、掻い潜っていくようなチャンスシーンは数えられるほどだった。

 菅原は「思ったよりもサウジアラビアがすごく引いてきて、予想外な部分はありました」と本音を漏らすと、「5枚でブロックを敷いてくる相手には、どれだけ質を伴っている選手がいてもこじ開けるのは難しい」と一般的な意見を発しつつ、「こういう相手には一瞬のスキだとか、一瞬のクオリティーが解決する」と話す。「数少ないチャンスもあったわけなので、そこをしっかり仕留める質は、僕も含めてもっと上げなければならない。そこは強烈に感じました」と成長を見据えた。

 見方を変えると、これまではアジアのライバルであったサウジアラビア代表がこのような戦術を採用したのは、日本代表のパワーをきっちりと分析しているからだろう。菅原は「4〜5年前のサウジが5バックでベタ引きするなんて、誰も思わないでしょうが、それを今日やってきた。それだけ日本がリスペクトされている証拠でもあると思う」と主張したが、チームの“目標”から逆算すると、「自分たちがワールドカップで優勝するためには、個々の質は上げていかなきゃいけないところは素直に感じる」と一言。「サウジもすごく高い集中力で守備をしていたと思いますが、それでも勝たなきゃいけないのが日本代表の宿命です」と続け、勝利を逃した点を悔やんだ。

 もっとも、サウジアラビア代表相手のスコアレスドローを悲観的に捉えているわけではない。「僕らは常にチャレンジャー。ワールドカップ優勝という目標を立てたからといって、チャレンジャーであることは変わらない」と前置きした菅原は、さまざまな戦術を持つチームを打ち破るため、次のような言葉を発している。

「どの相手が来ても、勝つために徹底的に最善を尽くすのが僕らの役目です。今日のように5バックで守ってくる相手もいるだろうし、もしかしたら4バックでガンガン押し込んでくる展開もあるかもしれない。ワールドカップで優勝するためにはどんな相手にも勝つことが求められるんで、そこはしっかりチームとして、もっと突き詰めていかなければなりません」

【動画】前田大然のポスト直撃シュート
 

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