深谷琴乃は姉弟タッグで“くすぶっていた”環境からの挑戦 「LPGAが目標のひとつに」

<セントラル・フロリダ選手権 事前情報◇27日◇ウィンターヘイブンCC(米フロリダ州)◇6572ヤード・パー72>

1998年生まれの黄金世代で米女子下部エプソン・ツアールーキーとなる深谷琴乃は“大移動”で米国に乗り込んだ。タイ合宿、オーストラリアツアーでの連戦を経て、シドニーからフロリダ入り。乗り継ぎ時間もギリギリで、移動は24時間…。「疲れました(笑)」というが、この舞台に立つことができた喜びで胸がいっぱいだ。

かつては霞ヶ関カンツリー倶楽部の研修生で、「東京五輪」が開催時にはボランティアをした経験もある。初めて受験した2021年のJLPGAプロテストでは最終まで進出するも敗退。「ちゃんとしたツアーに参加する資格がないので、どうしようかな、と2~3年はくすぶっていました」。合格に手が届かず「もう辞めようかな」と思っていたときに、あるアドバイスをもらった。

「『日本から呼ばれていないんだったら外に行ってみたら?』と言ってくださった方がいて。海外への視野は全くなかったけど、確かに、自分で活躍できる場所を探しに行かないと、と思いました」。日本とは季節が真反対で冬にゴルフができる環境のオーストラリアツアーのQTを受験して、昨年はそこが主戦場となった。そして7月のプロテスト1次予選で落ちてしまったことをきっかけに、LPGAの予選会(Qシリーズ)に挑戦することを決めた。

「どうしようかと考えているときに、予選会を受けに行くという友達の話を聞いて、わたしも受けてみようかなって。最初は軽い気持ちだったけれど、せっかくなら頑張りたいと思った」。2次予選はわずか1打及ばずに最終に進めなかったが、下部ツアーの出場権を獲得。「楽しみです。ワクワクが一番大きい」と期待を膨らませる。

隣には心強い相棒もいる。キャディを務めるのは4歳年下の弟。バスケットボールに夢中で、ゴルフは全くの未経験。それでも大学生活の長期休みを使いながら、予選会、オーストラリアツアーでバッグを担いだ。

「小さいとき以来、一緒にいる時間が長いかも」と笑い合うふたりだが、コース上でも息はぴったり。「技術的なアドバイスは全くないんですけど、困ったときに気の利いた一言をくれるんです(笑)。プレーしすぎると飲み物や食べ物も忘れちゃうタイプだけど、そこもサポートしてくれています」と信頼感も抜群だ。

日本のプロテスト受験と並行しながら、ランキングトップ15に与えられる来季のLPGA出場権を目指す新たなシーズンが始まる。「LPGAはもともと目標にはなかった。でもエプソンに出られるとなって、間違いなく、目標のひとつになりました」。“姉弟”二人三脚での米国転戦が始まる。
(文・笠井あかり)

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