刑務所に収監された父を訪ねて…アルゼンチン代表にサプライズで初選出の23歳MFの過去

 アルゼンチンメディアの『クラリン』は6日、アルゼンチン代表に初招集されたバレンシア所属のMFエンソ・バレネチェアを特集した。

 現在23歳のバレネチェアは186センチメートルと長身で、中盤の守備的なポジションを主戦場にする選手。ニューウェルスの下部組織に入団したが、アルゼンチンでプロデビューを果たす前にFCシオンの下部組織に移籍するためにヨーロッパに渡った。

 その後ユヴェントスの下部組織に移りトップチームに昇格すると公式戦5試合に出場。そして、フロジノーネに戦いの場を移すと、公式戦39試合に出場し1ゴール1アシストを記録した。2024年6月にはアストン・ヴィラ所属の選手となるも、8月末からはレンタルでバレンシアに移籍し、これまで公式戦7試合に出場し1ゴールを記録している。

 バレネチェアはこれまでアルゼンチン代表に選出されたことはなかった。しかし今回、11月に行われるFIFAワールドカップ南米予選パラグアイ代表戦とペルー代表戦に向けた代表メンバーに名を連ね、母国アルゼンチンではサプライズ招集として扱われた。

 そんなバレネチェアを『クラリン』が特集。バレネチェアがヨーロッパに渡る前の10代前半の頃、父親が8年間刑務所に収監され、同選手が刑務所に面会に通っていた過去などを紹介した。

 バレネチェアは2022年3月に当時所属していたユヴェントスの公式メディア『ユヴェントスTV』のインタビューで、「僕が10歳か11歳の頃、父が刑務所に入れられた。父は8年間、自分たちと一緒に過ごすことができなかった。けど、僕たちは可能な限り、父のもとを訪れるようにしていたんだ」と父が収監されていたことを説明。
 
 続けて「自分の母は常にふたつの仕事を掛け持ちしていた。だから、僕たち兄弟は一日のほとんどを子供だけで過ごした。母がすべての準備をしてくれていたけれど、朝食の作り方、いつ朝食を食べるかは自分たちで管理した」と、多感な時期に両親が不在の時間を多く過ごしたことを明かした。

 なお、バレネチェアはユヴェントスに所属していた時期のチームメートで、現在はローマに所属するアルゼンチン代表FWマティアス・スーレと仲が良く、先にアルゼンチン代表に招集されたスーレから今年上旬、アルゼンチン代表を率いるリオネル・スカローニ監督から注目されているという話を聞き、「代表に行くのが僕の夢。それが、毎日全力を尽くすためのモチベーションになっている」と語っていた。

 それから数カ月後、念願だったアルゼンチン代表入りを果たしたバレネチェアは自身のインスタグラムのストーリーズ機能を使用し「夢が叶った」と喜びの声をあげた。

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