先週にメキシコで行われた米国男子ツアー「ワールドワイド・テクノロジー選手権」で珍事が起こった。地元・メキシコの27歳、エミリオ・ゴンザレスが「重大な不正行為」により失格処分を受けたと海外メディアが報じた。
ゴンザレスは今大会の初日に「73」、2日目に「71」でラウンドしたものの、わずか2打差で予選を通過できなかった。しかし、彼の不運はそれで終わらなかった。試合後、「重大な不正行為」があったとして、失格処分を受けた。
ゴンザレスは15番ホール(パー4)でティショットを砂漠地帯に打ち込み、その後暫定球を打った。この場合、3分以内に元のボールが見つかれば、そのボールを確認してプレーを再開する義務がある。しかし、PGAツアーの報告によると、ゴンザレスはボールを発見したにもかかわらず、適切な確認を怠り、暫定球でプレーを続行。最終的にボギーを記録したが、この行為が「ゲームの精神に反する重大な不正行為」と判断され、ルール1.2a※に基づいて失格処分が下された。
ゴルフ規則のルール18.3によると、暫定球がインプレーのボールになっていない場合、元の球と思われるボールを発見した際はプレーヤーが「合理的な努力」をしてボールの確認を行わなければならないとされている。今回はこの合理的な努力が欠けていたと判断され、処分に至った。
ゴンザレスはセント・メアリーズ大学を経て、2020年にプロ転向。今シーズンは下部のコーンフェリー・ツアーで25試合に出場し、2度のトップ10入りがあった。3月の「テキサス・チルドレンズ・ヒューストン・オープン」でPGAツアーデビューし、今大会が2試合目だった。
自身が招いた結果とはいえ、予期せぬ形で地元大会を去ることになったゴンザレス。12月にはツアー出場権をかけた最終予選会が控える。さらに大きな舞台を目指すため、今回の苦い経験を糧にするしかない。
※ゴルフ規則1.2a すべてのプレーヤーに期待される行動(一部抜粋)
すべてのプレーヤーはゲームの精神の下でプレーすることが期待される。プレーヤーが重大な非行をしたと委員会が考えた場合、その委員会はゲームの精神に反する行動をしたことに対して、そのプレーヤーを失格とすることができる。