トランスジェンダー女子選手は最終予選会へ進めず 下部ツアーの限定的な出場権獲得

米国女子ツアーQシリーズの2次予選に出場していたトランスジェンダー、ヘイリー・デビッドソン(米国)は、トータル2オーバー・95位と振るわず、最終予選会進出には6打及ばなかった。
しかし、デビッドソンは限定的ながらも来季の下部エプソン・ツアーの出場権を獲得した。米LPGAツアーでトランスジェンダーが出場権を得るのはデビッドソンが2人目。1人目のボビー・ランカスター(米国)は2013年に1次予選へ出場して資格を得たが、最終的には一度もLPGAツアーには参戦できなかった。

Qシリーズの2次予選では31位までの43人が最終予選会へと進み、80位までの選手は来季のエプソンツアーでカテゴリーIの出場資格を獲得。デビッドソンは95位だったため、カテゴリーKの限定的な資格となった。2024年はカテゴリーKよりも上位に217選手がいた。来季、デビッドソンがどれほどの試合に出場できるかは不透明だ。

デビッドソン生まれた時は男性ながら、現在は女性として生きている。大学では当初、男子ゴルファーとしてプレーしていたが、15年からホルモン治療を開始。21年に性別適合手術を受けた。

2010年に米LPGAツアーは投票により「出生時に女性であること」という出場条件を撤廃。医学的な処置などの条件を満たせば、トランスジェンダーのツアー参戦を認めている。「全米女子オープン」を主催するUSGA(全米ゴルフ協会)、そしてIGF(国際ゴルフ連盟)も同じ立場をとる。

しかし、今年8月には女子ゴルファー275選手が署名した「反対意見の陳述書」が提出され、同ルールの撤廃を求めている。最終ラウンドが終了したあと、LPGAツアーからコメントを求められたデビッドソンはこれに応えずコースを後にした、と米ゴルフウィーク誌が伝えている。(文・武川玲子=米国在住)

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