603ヤードのパー5でも“ドライバー回避” 石川遼が剛ラフの難コースを「おもしろい」と話す理由

<日本オープン 初日◇10日◇東京ゴルフ倶楽部(埼玉県)◇7251ヤード・パー70>

折り返し直後の10番を終えた時には2オーバーだったスコアは、終盤15、16番で連続バーディを奪ったことでイーブンパーに戻した。近年稀ともいえるほどの剛ラフが生い茂る難コースでは、このスコアで耐えれば10位タイと上位で滑り出せる。
石川遼は、落とした前半と伸ばした後半の違いについて、まずはパッティングを要因に挙げる。「前半はフィーリングが悪かった。ラインの読みが合っていないところもあったし、ストロークでもミスがあった。でも後半はうまく修正ができました」。この日の平均パット『1.8182』は49位タイ。決して上位ではなかったが、尻上がりに調子を取り戻したうえでの数字だ。

ラフの長さを考慮すると、やはりフェアウェイキープを最優先に考えないといけないのがこのコースの鉄則になる。この日、石川がドライバーを握ったのは、4カ所あるパー3を除くと1番と15番のパー4だけ。603ヤードの13番パー5でさえも、その使用を回避したほどだ。

フェアウェイキープ率は64.286%の48位タイ。「ラフから刻んで残り80ヤードとか100ヤードからパーを取るホールもあった。もう少しティショットを修正したいですね」。これでパターの調子が上がらなければ、どうしても苦しい展開を強いられる。だがそこを修正し、さらにグリーンを狙うショットが好調だったこともあって、なんとか耐え抜いた初日だった。

ラフに入れればすなわち出すだけ、という状況に追い込まれることがほとんどで、“1ペナ”ともいえるような対価を支払うことになる。それでもこのメジャーセッティングで、やりがいも感じている。

「600ヤードのパー5は、普段なら問答無用でドライバー。ただかなりの数の選手が、3番ウッド以下のクラブで打っていたような気もする。そんななかでも上位の選手たちは、アグレッシブに攻めていたと思う。しっかりと狙ったところに打てれば、それなりの報酬が受けられるし、スコアもすごく動くからおもしろいですよね」

開幕前まで降り続いた雨の影響もあり、グリーンは決して硬くはない。そうなれば、よりショットの精度がカギになる。「6番アイアン以上の長いクラブでグリーンを狙うことも多いし、残り200ヤード以上から狙うと小さいグリーンだなと改めて思った」。そのなかで攻撃的な姿勢が求められる。

夕方にホールアウトし取材を終えると、すぐさま打撃練習場へ。その頃にはすっかり辺りも暗くなっていたこともあり、アイアンを中心に10分ほどだったがクラブを振った。「きょうはアイアンの感触がよかったので、その復習をしました」。午前組でプレーする2日目に伸ばすため、この手応えはしっかりと残しておかなければいけない。(文・間宮輝憲)

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