
<ソニー 日本女子プロゴルフ選手権 事前情報◇4日◇かねひで喜瀬カントリークラブ(沖縄県)◇6670ヤード・パー72>
7月の海外メジャー「アムンディ・エビアン選手権」制覇後、初めて日本での試合に臨む古江彩佳。会場では、ひさびさに会う日本の仲間たちから祝福の言葉もたくさん送られた。「優勝してから時間は経つのですが、皆さん『優勝おめでとう』って言ってくださるので、すごくうれしく思っています」。改めて湧いた実感も胸に、次は日本のメジャータイトル奪取を目指すことになる。
2週前の「AIG女子オープン」を終え帰国。ただ、先週、日本列島を襲った台風10号の影響を、沖縄入りまで受けることになった。帰国便を28日(水)着から前倒して27日(火)着に変更。さらに予定していた地元・神戸での調整も、やはり当初の予定から前倒しし30日(金)の飛行機に乗って沖縄に向かったことで、順調にはいかなかった。
無事30日には現地入り。そこからは“予想外”にゆっくりと時間を過ごした。そんな急きょの変更だが、焦りも感じさせない。「アメリカでは移動で練習ができないことも多かったし、(当初の予定より)練習ができない日が1日プラスされたかな、と思うくらいです」。ここでも3年間の米国生活が生きている。
本格的な練習は、コースに入った月曜日から。練習ラウンド、そして開幕前日のプロアマなどで調整を進めた。「調子はぼちぼち」という“決めゼリフ”が出るあたり、状態は悪くない様子だ。「芝自体が太いので、ラフが深く見えなくても意外と重く感じたりもする。そこがきついですね」という沖縄特有の芝質に警戒を払っていく。
日本では通算7勝を挙げているが、“意外にも”メジャータイトルは手に入れていない。「まずは4日間戦えるように。日本のメジャーでも上位争いや優勝を狙っていけたらベストです。日本がつくタイトルも持っていないので、そこは一つの目標でもあります。そこは意識して頑張っていきたい」。強く願う勝利でもある。
沖縄に早く入ったことで、空いた時間には“神の島”とも呼ばれる久高島(くだかじま)へ「神様に挨拶しに行きました」。沖縄本島南東端にある知念岬から東の海上5.3キロに位置し、島全体が“聖域”とも言われる場所。そこで手を合わせ、パワーも授かった。
「日本はギャラリーさんも多いので、盛り上げられる存在でありたい」。メジャー女王としての責任も感じられる言葉だ。来週の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」など、ここから10月半ばまでは日本での転戦を予定。まずは“凱旋試合”で、大きな結果を残したいところだ。(文・間宮輝憲)