アプローチでトップやシャンクが多い人はゼロバンスを試してみては?【フィッターに聞いた】

ゴルファーのミスを補うために設けられているバンスだが、打ち方によっては邪魔になることもあるとご存じかな?
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今回は、ウェッジにおいてのバンスのお話しをしましょう。

最近、海外のツアーでゼロバンスのウェッジを使って、すくうように打つ選手が増えてきました。なぜ彼らが「ゼロバンスですくい打つ」のかというと、その方が地面の硬さや砂の質に関係なく打てるからだと思います。

それに対し、バンスのあるウェッジの場合、当然バンスを地面に当てにいくような打ち方になるので、芝が粘って引っかかったり、予想していたよりも球が浮いていてヘッドが抜けたりすることがあります。

世界を転戦するトッププロが、どんな地面の硬さでも、どんな芝質でも影響されることなく打ちたいということで出した結論が、「ゼロバンスですくい打つ」というやり方だったのだと思います。

この話を聞いて「さすがにプロともなると、そういうことができるんだ」と思った人も多いかもしれませんが、このゼロバンス、アマチュアゴルファーの中にもピッタリとハマる人がたくさんいます。それは、そもそも“すくい打ちをしてしまっている人”です。

ご存じのように、本来バンスというのは、リーディングエッジが地面に刺さらないように設けられたもの。バンスがあることで、ヘッドが少し手前から入ってもソールが滑ってくれます。また、バンスがあるとインパクト時にロフトが立つので、クラブがボールの下を潜ってボールが飛ばなくなるというミスも起こりにくくなります。

しかし、そんなバンスを有効に使うためには、地面に対して緩やかな軌道でヘッドを入れてくることが必要です。ヘッドを鋭角に入れたり、すくったりする打ち方になると、ボールの手前でバンスが跳ねてトップが出やすくなる。つまり、バンス角が大きい方がいいか、小さい方がいいかは、“上手い下手”ではなく、どういう打ち方をしているかによって決まってくるのです。

私が見ている限り、アベレージゴルファーには、インサイドアウトの軌道ですくい打つ人が多いように思います。だから、芯に当たっても右に飛ぶことが多い。また、クラブが体から離れていくので、トップだけでなくシャンクも出やすくなります。

こういう人は、「アプローチでも、しっかり体を回転させて左に振る」正しいスイングを身に付ける必要があるのですが、フィッターとしては、バンス角小さめ(ゼロでもいいくらい)、ソール幅も狭めのものをオススメしています。そうすれば、スイングを変えなくてもバンスが当たらず、きれいに振り抜けるようになるからです。

■吉田 智
よしだ・さとし/クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」(渋谷区)でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼されて、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートする。

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  ●ウェッジには様々な顔が存在するが、今季好調の桑木は、顔にこだわってモデルを選んでいるという。関連記事【今季2勝の桑木志帆さん、ウェッジは『三角顔』がいいってどういうことですか?】を読むと、なぜ三角形顔がいいのかが分かります。

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