プレーオフ初戦は“天国と地獄”の分かれ道 終盤大崩れで来季のビッグイベントに黄信号の選手も…

先週の米国男子ツアープレーオフシリーズ初戦の「フェデックス・セントジュード選手権」では、トム・キム(韓国)が最終日にまさかの大崩れ。フェデックスカップ・ランキングで、43位から2戦目に進出できるボーダーの50位を下回る51位へとはじき出されてしまった。
キムは最終日を38位で迎え、さらに15番までに4つのバーディと順調に伸ばしていた。しかし16番パー5でフェアウェイから2打目、3打目とバンカーを渡り歩き、挙句に1.5メートルのパーパットを外しボギーとしたのが“悲劇”の始まりだった。

パーオンに失敗した17番パー4は、グリーン右ラフからのアプローチでミスが出て、3メートルからダブルボギー。さらに18番パー4もティショットを池に入れ、まさかの連続ダブルボギーを喫した。上がり3ホールで5打落とし、最終的に50位でフィニッシュ。この結果、今年のプレーオフシーズンの幕が閉じてしまった。

ただ、この初戦敗退で失ったのは、年間王者がかかる残り2試合だけではない。トップ50に入れば来季も8大会が行われる高額賞金&高ポイント大会のシグネチャー・イベントへの出場権も確定する。つまりキムが来季のシグネチャー・イベントに出場するためには、推薦を受けるか、もしくはフォールシリーズやシグネチャー・イベントの間の試合に出て好成績を出す必要が生じる。

「今季はすごく良いゴルフをしていたのに、最後の最後に良い終わり方ができなかった。打ちのめされた気分だ。ここまで90点台で来ていたのに、最後に1点足りなかった…」。当然ながら悔しさは大きい。

プレーオフ第1戦には“天国と地獄”のドラマがある。昨年は松山英樹が第2戦出場に向けギリギリの戦いを続けていた。最終日の雷雨明けにイーグル、バーディを奪い16位でフィニッシュを果たし、ポイント・ランク47位に滑り込んだ。こうして24年のシグネチャー・イベント出場権が確定。それが今季の「ジェネシス招待」、そして前週の2つのシグネチャー・イベントでの勝利につながった。

今年は昨年の年間王者ビクトル・ホブラン(ノルウェー)が、2位に入りポイント・ランク57位から16位まで急浮上した。また最終日に松山と最終組でプレーしたルーキーのニック・ダンラップ(米国)は5位でフィニッシュし、ランクを67位から48位の圏内にまで上げた。ラウンド後には「まだシーズンを終えたくなかった。こんなに緊張したことはない」という声も聞こえたほどだ。

一方、マッケンジー・ヒューズ(カナダ)は58位と振るわず、ポイントは48位から52位へ転落。ライダーカップの米国主将に選ばれたキーガン・ブラッドリーは大会自体は59位で終えたものの、39位にいたポイント・ランクは50位に踏み止まった。50位のブラッドリーと51位のキムの差はわずか“17ポイント”。その微差が来季の命運を大きく変えることになるかもしれない。(文・武川玲子=米国在住)

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