メダル獲得まであと一歩 松山英樹が挑んだ灼熱の7人プレーオフ【五輪ゴルフ振り返り】

猛暑の中で行われた2021年東京五輪の男子ゴルフ競技。7人もの選手が銅メダルをかけたプレーオフに挑んだ。その中には、日本代表の松山英樹の姿もあった。灼熱のエクストララウンドを振り返る。

金メダル獲得も視野に入っていた。単独2位で最終ラウンドに駒を進めた松山だが、「69」と伸ばしきれず。ホールアウト時点でザンダー・シャウフェレ(米国)が金メダル、ローリー・サバティーニ(スロバキア)が銀メダルに決まったが、3位タイには松山ら7人もの選手が並び、銅メダルをかけたプレーオフに挑むことになった。

1ホール目は18番パー4を使い2組に分かれて行われたが、松山、ポール・ケーシー(イングランド)、ローリー・マキロイ(北アイルランド)の組から、ボギーを叩いた松山とケーシーがまず脱落。あっさりとメダルの夢は潰えた。

松山とケーシーは正規の18ホールを最終日最終組で回った。暑さによる疲労はもちろんだが、この日の松山はパットに泣かされた。象徴的だったのが、正規の18番パー4。決まれば銅メダル獲得となる3.5メートルのバーディパットを外し、がっくりと肩を落とした。

「詰めがうまくいかないとこういう結果になる。改めてわかりました。最後プレーオフになっていいショットは打てた。(グリーン奥ラフに行った)セカンドはジャッジミス。残念な結果になりました」。もし悔しがったパットが1つでも決まっていたら…。勝負に“たら・れば”はないと分かってはいても、無念な結果となった。

7月上旬に新型コロナウイルスに感染し、この五輪が自身の復帰戦だった。準備不足は否めなかったが、それを言い訳にすることはない。日本のエースとしての重圧を背負いながら、メダル争いに絡んだのはさすがの一言だ。

「メダルが獲れなかった以上は何の評価もない。期待に応えられなかったのが悔しい」。自身の“役割”を十分に理解していただけに、自己評価は厳しかった。

松山敗退後のプレーオフは、最後まで集中力を切らさなかったC.T.パン(台湾)が勝利。銅メダルに輝いた。松山とともに日本代表として戦った星野陸也は、最終日に「66」をマークしてトータル6アンダー・38位に入った。

あれから3年。再び日本代表として挑むフランスの地で、松山は最終調整を行っている。「またこの場所(五輪)に戻ってこられてうれしい。3年前以上の結果を出せるように頑張りたい」と気合いは十分。東京の借りを返したい。

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