鮨なみえ(最寄駅:赤坂駅) 実は、この店のオーナーは福島県浪江町で130年続いた元魚屋。震災を機に東京に移り、満を持して2015年4月に念願の寿司店を出店した。開業にあたり板長を任されたのは、北海道や銀座で修業した熟練の職人・高橋誠司さん。寿司酢の調合や相性のいい米選びなど、研究を重ねて独自のスタイルを確立させたという。 米は「いろいろ試して巡り合えた」と自信を見せる佐賀県産「さがびより」。通常より粒が大きいのが特徴で、羽釜で風味豊かに炊いている。寿司酢は4種をブレンドし、赤酢の旨みを取り入れつつもシャリの艶やかな白さはそのままに。海苔も吟味し、巻き物には歯切れの良いもの、軍艦には香りがしっかりしたものと使い分けている。確かな目利きのネタはもちろん、一辺倒でないコースの内容にも脱帽。「同じお客様になるべく同じ味を出さないように」との繊細な心遣いも素晴らしい。※ランチタイム有
5400円のコース
仕入れによって内容は変わる。
小鉢、刺身、握り七貫と巻物(平目の昆布締め、ブリ、小肌、甘エビ、ツブ貝、イクラ、穴子、お新香巻)お椀、手作りデザート。
コースの握りと巻き物。これに小鉢、刺身、椀物、デザートが付く。シャリは通常の米より1.2~1.3倍ほど大きい品種を使う。あえてお焦げができるよう羽釜で炊き、わずかに香ばしさを添える
ウニ 時価(写真は1944円)
この日のウニは北海道厚岸の天然もの。素材の味を楽しめるよう普通の軍艦ではなく、シャリにこぼれんばかりに山盛り。海苔は全体を支える程度
コースの小鉢と刺身
取材時のコースの小鉢はアジの南蛮漬け、刺身は大間の本マグロ赤身とヒラメ
イカの三升漬け 540円
「イカの三升漬け」は北海道の郷土料理。唐辛子、糀、醤油などにイカを漬け込んだもの
ぶりの刺身 時価(写真は1944円)鮨なみえ
東京都港区赤坂5-4-14 ベルテンポ赤坂2階 ☎03-5797-7397 [営]11時半~14時(13時半LO)、18時~22時半(21時半LO) [休]土・日・祝の月 [席]カウンター8席、テーブル8席、計16席/全席禁煙/予約可/カード可/サなし、お通し648円別 [交]地下鉄千代田線赤坂駅7番出口から徒歩1分
電話番号 03-5797-73972016年12月号発売時点の情報です。