鳥獣被害を『食』で解決-ジビエの普及を支援 クイージ・石崎英治さん②

東京都品川区に、インテリアを主軸にライフスタイルの小売事業などを展開している株式会社アクタスが運営しているレストラン「SOHOLM」があります。ここでは、全国の狩猟者が捕獲した鹿やイノシシなどといったジビエを使った料理を提供しています。

ジビエ

石崎英治さんは、北海道新得町と島根県美郷町で自然環境保護と地域産業振興に取り組み、「SOHOLM」とともに、ジビエの普及を支援しています。今回は石崎さんに、北海道新得町と島根県美郷町について伺ってみました。

◆少人数で管理運営-北海道新得町

北海道新得町

北海道新得町の中でも最も山際のトムラウシ地区は、十勝平野を作った十勝川の最上流域で大雪山国立公園に位置しており、広大な面積と厳しい自然に対して住民の数が少ないのが特徴ということです。厳しい自然の中、大型囲い罠という高品質のエゾシカを生産捕獲するスキルを持っていて、それを少人数で効率よく管理運営し、事業化していることが一番の魅力だと石崎さんは言います。
エゾシカ
写真:わなに入る鹿

◆地域を挙げた取り組みを-島根県美郷町

島根県美郷町

島根県美郷町は、中国太郎の異名を持つ江の川(ごうのがわ)の中流域に位置します。標高は低いが急峻な山が多く、水に恵まれている美郷町は、イノシシがおいしくなるエサが豊富です。イノシシ以外にも、ウナギやアユ、カニ、天然キノコ、タケノコなど天然食材がとてもおいしい地域だそうです。ここ美郷町では、有害鳥獣問題を狩猟者や専門家に任せるのではなく、農家が自分の農地を守るために柵を維持し、イノシシを捕獲するなど、地域を挙げた取り組みをしているといいます。

◆食をきっかけに鳥獣被害について関心を
島根県美郷町
写真:美しい美郷町の風景

昨今のジビエブームもあり、都市部ではジビエを取り扱うレストランも増えていますが、ジビエの生産地が抱える課題や、捕獲頭数が少ないなどの理由で生産地になれず鳥獣被害が甚大な地域については、なかなか知られていません。都市部で『食』に対して興味を持つことをきっかけに、消費者が生産地の課題や鳥獣被害についてもっと知り、解決策について考え、なんらかの行動に移すことが、課題の解決につながると、石崎さんは述べています。


写真:美郷町でつくられたポトフ

また、株式会社アクタスによると、今回ご紹介した石崎さんとSOHOLMのレストランシェフが共同で開発したシカ、イノシシをポトフなどヨーロッパの伝統的な煮込み料理にした「GIBIER CAN(ジビエ缶)」を同社が持つストアブランド「SLOW HOUSE」「ACTUS」の一部の店舗、アクタスのオンラインサイトにて販売しているということです。

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「SLOW HOUSE」公式ページ http://www.slow-house.com/ 「ACTUS ONLINE」公式ページ http://online.actus-interior.com/
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