ネリーを止めたのは“タイガー超えの逸材”ローズ・チャン 上がり5ホールの大逆転Vでうれし涙「まだ震えている」

<コグニザント・ファウンダーズカップ 最終日◇12日◇アッパー・モントクレアCC(ニュージャージー州)◇6536ヤード・パー72>

ネリー・コルダ(米国)の6連勝を止めたのは“タイガー超えの逸材”と呼び声が高い21歳だった。ローズ・チャン(米国)が大会コースレコードを更新するトータル24アンダーまで伸ばして優勝。1年ぶりの勝利でツアー2勝目を飾った。
初日に「63」をたたき出して単独首位発進。伸ばしあぐねるネリーを尻目に、マデリーン・サグストロム(スウェーデン)とともにグングンとスコアを伸ばす。3日目を終えて後続を置き去りにし、勝負の行方はふたりによる一騎打ちの様相を呈した。

最終日はマデリーンの優勢でプレーが進んでいく。12番パー5で2オン・3パットのパーとしたローズに対し、マデリーンはバーディ。この時点で3打差がついていた。「決して諦めなかった。ただひたすら楽しみながら、わたしにはやり遂げるだけの力があるといつも思っている」。そんなローズが14番から連続バーディを奪うと、マデリーンが16番でボギー。そこで並ぶと、ローズが上がり2ホールを連続バーディで締めて華麗にかわした。

最終18番では先に3メートルのウイニングパットを決めると、大きく息を吐き、目に涙を浮かべた。「いまはまだ震えている」。1年ぶりのツアー2勝目はかけがえのないものになった。

1年前、次戦の「ミズホ・アメリカズオープン」でローズは衝撃のデビュー戦を飾った。プロ転向後自身初戦で勝利するという、米女子ツアーでは72年ぶりの快挙を成し遂げたのだ。名門スタンフォード大に在学し、タイガーらを擁するマネジメント会社と契約。アマチュア時代から注目を集めたスーパースターは華々しくプロ生活をスタートさせた。

「そこからわたしには多くの期待がかかった。時には、その雑音に少し押しつぶされそうになることもあった。だけど一回一回を大切にしなさいと言ってくれる人がいる。1年間の“旅”を通して、大きく成長することができた」。プレッシャーをはねのけ、同じニュージャージー州で掲げた勝利はとりわけ感慨深い。

マデリーンも2020年以来のツアー2勝目がかかっていた。だが「長い時間、本当によく頑張った。ローズを悪く言うつもりはない。プレーは本当に素晴らしかった」とライバルに称賛の言葉を送った。その一方で、「最後はもう少し自分にチャンスを与えてほしかった。ああいう終わり方はしたくなかった」と静かに悔し涙も流した。

ローズは16日から思い入れのある試合に臨む。2週連続V、そしてタイトル防衛に向けて最高の形で乗り込むことができる。自由の女神を望むロケーションで、“女神”はまたしても微笑むか。

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