
<RKB×三井松島レディス 2日目◇11日◇福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)◇6305ヤード・パー72>
ディフェンディングチャンピオンの岩井千怜が首位タイに浮上。4バーディ・ボギーなしの好プレーを披露したが、ちょっぴり悔しさも残るラウンドとなった。
1番パー5でバーディを先行させると、その後は8ホール連続でパーを並べた。後半では10番、11番と連続バーディを奪うと16番でも1つ伸ばし、トータル7アンダー・首位タイまで駆け上がった。
しかし、少しばかり浮かない表情を見せる。その理由はあすの天候だ。強い雨が降る予報で、最終ラウンドが決行できない可能性もある。短縮となった場合、単独首位ならそのまま優勝を手にすることができる。だからこそ“タイ”ではなく“単独”で上がりたかった。
その思いが強く表れたのが、18番パー5だ。セカンドでは、昨年のプレーオフを思い起こさせる直ドラを敢行。「スプーンで打ったとしたら、フェアウェイかラフに入るかという狭間で、3打目が余計に難しくなる。だったらもう『行くか』っていう選択になった」。
グリーンエッジまで239ヤード。2オンの可能性にかけて放った直ドラショットは、グリーン左のギャラリースタンドまで行ってしまった。アプローチは2メートル近くまで寄せたが、惜しくもバーディパットは外れた。「17、18番が(あすへ)絶対生きてくるっていうホールだった。自分でも分かっていたけど、やっぱりうまくいかないですね」。どちらかのホールでバーディを取れていれば、単独トップだった。タラレバを考えてはキリがないが、「取りきれなかったので、今はただただ悔しいですね」と唇を噛んだ。
天候次第では、首位タイにいる3人が優勝をかけたプレーオフを行うことになる。運命のイタズラと言うべきか、昨年プレーオフで争った山下美夢有の名前もそこにある。それでも「誰とやっても自分のプレー次第なので。あまり思うことは無いです」と意に介する様子はない。
「毎試合毎試合、勝ちたい気持ちなので」。状況は違えど、昨年の“再演”になりそうな最終日。相手が誰であろうと、千怜はいつも通り優勝の二文字だけを追いかけて行く。(文・齊藤啓介)