「選手がヒリヒリする戦いに」今季初メジャーは“硬・速”がキーワード 優勝想定スコアは…?

<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 事前情報◇1日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6665ヤード・パー72>

今季最初のメジャー大会は、選手たちにとって並みいるライバルだけでなく、そのグリーンも“大きな敵”になりそうだ。コースセッティングを担当する茂木宏美は、1日に行われた日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の会見で何度も「硬くて速い」というキーワードを口にした。
速さを表すスティンプメーターの設定は、前回東コースが舞台になった2021年の12フィートから13フィートへとアップ。硬さの指標となるコンパクションは24ミリ未満という設定で、その“硬・速グリーン”を実現する。さらに水分量をコントロールする器具も使用し、グリーンキーパーがしっかりと管理。それにより数字以上の感覚を選手は味わうことになりそうだ。

茂木は「月曜日の朝から仕上げてくれている。練習ラウンドから硬くて速いグリーンでやることでレベルアップにもつながる。(開幕前日に)雨が降っているにもかかわらず、硬さ、速さは落ちていない。メジャーにふさわしい、選手がヒリヒリする戦いが見せられます」と、その完成度に自信を見せる。

攻略に向け大事になるのが、「ボールの落下角度」だと茂木は続ける。バンカー越えのシチュエーションも多い東コースは花道を使えないホールが点在するため、“手前から”という戦略はあまり有効ではない。それゆえ「球が上がらずにグリーンに落ちると前に跳ねてしまう。そこまで追求できるようなセッティングにしている」(茂木)とグリーンに直接落とし、止める技術がより求められる。

そのなかで選手たちはどれくらいのスコアを求められるのか? 西コースで行われた昨年大会は、天候の影響もあり優勝した吉田優利のスコアが1オーバーという過酷な4日間になった。だが今年の優勝スコアは「二ケタ」を想定している。前回、東で行われた21年大会を制した時の西村優菜は14アンダー。そのあたりがラインになる可能性もある。ただし、これには「風が吹くと一気に難しさが変わるので、二ケタが壁になると想定している」という但し書きもつく。

意識されるのは、「メジャー」そして大会名に含まれる「ワールド」という言葉。今回は米国女子ツアーに参戦する西村、古江彩佳、勝みなみが出場する。また『昨年12月31日時点の世界ランキング上位50位』の資格で、昨季韓国ツアー賞金女王のイ・イェウォンら海外の強豪もフィールドに立つ。ハイレベルな戦いを、そのグリーンも演出することになりそうだ。

このほかラフは昨年より10ミリ短い60ミリに設定。伸びきらなかったのは天候状況の影響も大きいが、長さではなく「密度の濃いラフを目指す」という意図もある。また東コースはこれまでにチョン・インジ(韓国、15年)、レクシー・トンプソン(米国、16年)、渋野日向子(19年)といった飛距離のある選手の優勝が目立つが、「グリーンが硬くて速いのでショットの精度だけではなくパッティングの技術だったり、アプローチの技術など14本すべてを使える選手が勝つ」など、ここでもグリーンを根拠に茂木は“飛ばし屋有利”の側面を否定した。

会見に出席した小林浩美JLPGA会長も、「4日間、心技体が問われるセッティング。誰が勝つのか期待がいっぱいです」と胸の高まりを明かす。選手たちのグリーンを狙うショットや、そこでミスが出た後の対応…そんな点に注目する4日間になりそうだ。(文・間宮輝憲)

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